“可恐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おそろし33.9%
おそろ32.2%
こわ20.5%
こは4.1%
こお1.8%
おっか1.2%
おそろしい0.6%
おそれ0.6%
おっかね0.6%
おつかね0.6%
おつそろし0.6%
おッそろ0.6%
おッそろし0.6%
こはい0.6%
こわい0.6%
こわら0.6%
ひど0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それといふのが、時節柄じせつがらあつさのため、可恐おそろしわるやまひ流行はやつて、さきとほつたつじなどといふむらは、から一めん石灰いしばひだらけぢやあるまいか。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女房かみさんは、よわつちやつた。可恐おそろしくおもいんです。が、たれないといふのはくやしいてんで、それにされるやうにして、またひよろ/\。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だって、緋だの、紫だの、暗いうちに、あられに交って——それだといなびかりがしているようだもの……そのしとみをこんな時に開けると、そりゃ可恐こわいぜ。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だつて、だの、むらさきだの、くらうちに、あられまじつて——それだといなびかりがしてるやうだもの……しとみをこんなときけると、そりや可恐こはいぜ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ああ、可恐こわい。……勿体ないようで、ありがたいようで、ああ、可恐こおうございましたわ。」
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いいか、ちらばったり、自分勝手に動いたりしちゃいかねい。ガチャが来やがったからって、こっちがかたまってれば、可恐おっかねえことはちっともねえんだ。女連は女連でかたまって、真中さ入れ! いいか!」
共同耕作 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「ええ、わけはございません、貴方あなた、そんなに可恐おそろしいところと御存じで、その上、お薬を採りに入らしったのでございますか。」
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まなこを光らし、姫をみつめて)まだそのようなわやくをおっしゃる。……身うちの衆をお召出し、お言葉がござりましては、わやくが、わやくになりませぬ。天の神々、きこえも可恐おそれじゃ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「幽霊も大袈裟だがよ、悪く、蜻蛉にたたられると、おこりを病むというから可恐おっかねえです。縄をかけたら、また祟って出やしねえかな。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みんな面白れえ人達だ。ちつとも可恐おつかねえ事ねえ。」
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
さうしてひとりで利巧ぶつて、可恐おつそろしい意気がりで、二言目ふたことめには金々と、金の事さへ言へば人は難有ありがたがるものかと思つて、俺がかうとおもや千円出すとか、ここへ一万円積んだらどうするとか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それに女にかからずね、もっともまあ、かかり合をつけようたッて、先様が取合わねえんですからその方も心配はありませんが、飲むんです。この年紀としで何と三升酒をかぶりますぜ、可恐おッそろしい。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
可恐おッそろしい真暗ですね。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
へば蒼白あをじろくなる顔は益々ます/\蒼白あをじろひいでたまゆを寄せて口を一文字に結んだのを見るとふさ可恐こはいと思つた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
じゃか、何ともいわれない可恐こわいものが、私の眼にも見えるように、眼前めさきかけまわっているもんだから、自分ながら恐しくッて、観音様を念じているの。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
加茂川は鬼神おにがみの心をもやわらぐるという歌人うたびとであるのみならず、その気立が優しく、その容貌も優しいので、鼻下、あぎとひげたくわえているが、それさえ人柄に依って威厳的に可恐こわらしゅうはなく
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まへもおきよ、わたし毎日まいにち出勤しゆつきんするあの破堂やぶれだうなかで、かほあせだらけ、砂埃すなぼこりうへ蜘蛛くもで、目口めくちかない、可恐ひどよわつたところを、のおかただ、そで綺麗きれいにしてくだすつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)