“古”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふる30.9%
いにしえ29.0%
いにし12.5%
8.5%
いにしへ8.3%
むかし3.4%
2.1%
イニシヘ1.1%
フル0.8%
いに0.6%
ふるき0.6%
ふるく0.4%
むか0.4%
かみ0.2%
ふり0.2%
ふるい0.2%
ふるぼ0.2%
もと0.2%
オールド0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其處そこふるちよツけた能代のしろぜんわんぬり嬰兒あかんぼがしたか、ときたならしいが、さすがに味噌汁みそしるが、ぷんとすきはらをそゝつてにほふ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかしもし大胆なる想像を許さるれば、いにしえの連歌俳諧に遊んだ人々には、誹諧の声だけは聞こえていてもその正体はつかめなかった。
俳諧の本質的概論 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その神工鬼斧しんこうきふに驚嘆して歌をつくり、またはいにしえの浦島の子の伝説を懐古してあこがれたりするようなことは得手えてではありません。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
樹木千載をる時は魂ありて人の形を取るかと心中驚異に感じながら進み立ち問答致しますると、孫呉の兵法にも通じおるような始末。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我は心裡しんりにヱネチアの歴史を繰り返して、そのいにしへの富、古の繁華、古の獨立、古の權勢乃至ないし大海にめあはすといふ古の大統領ドオジエの事を思ひぬ。
わたしはやはり、本居先生の歌にもとづいて、いくらかでもむかしの人の素直すなおな心に帰って行くために、詩を詠むと考えたいんです。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「よく剣ヶ峰けんがみねおがまれる。」と、じいさんは、かすかはるかに、千ゆきをいただく、するどきばのようなやまかってわせました。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
此柱松や旗の源流に溯つて行くと、其処にあり/\と、イニシヘの大嘗会にひき出された標山シメヤマの姿が見えて来る。
盆踊りと祭屋台と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だが、さう言ふ物語りはあつても、それは唯、此里の語部カタリベウバの口に、さう傳へられてゐる、と言ふに過ぎぬフル物語りであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
その代りいにしえの善い時代に見たような魂を引上げるような種類の要素が無い。興福寺の法相六祖像にしてもそうである。
本邦肖像彫刻技法の推移 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
堀川百首ほりかはひやくしゆ兼昌かねまさの哥に、「初深雪はつみゆきふりにけらしなあらち山こし旅人たびびとそりにのるまで」この哥をもつても我国にそりをつかふのふるきをしるべし。
それをまた、腕白わんぱくの強がりが、よく賭博かけなんぞして、わざとここまで来たもんだからね。梟は仔細しさいないが、弱るのはこの額堂にゃ、ふるくから評判の、おに
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むかし我先人が文明を買ひしあたひは国をうしなふ程に高直なりき」と白皙はくせき人種に駆使せられながら我子孫のツブヤカんことを。
そのかみ、神功皇后韓国からくにをことむけたまひ、新羅の王が献りし貢の宝を積みのせたる八十艘のかぢを連ねてこの海に浮べるを憶ひおこし、はしなくも離れ小島の秋かぜに荻の花の吹きちるをながむる身は
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
たけなるかみをうしろにむすびて、ふりたるきぬになえたるおびやつれたりとも美貌びばうとはにもゆるすべし、あはれ果敢はかなき塵塚ちりづかなか運命うんめいてりとも、きたなよごれはかうむらじとおもへる
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふるい作品には非常によいものがあります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
婆やは小遣帳をつけた後に、眼鏡をかけて、貸本屋から借りたふるぼけた講談本を読んだ。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「いったん、泥と血とがこね返って、新しい世が立てなおる、王政はもとにかえる」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仮面舞踏会を開いた時に色紙やカーテンを材料にして作成したオールドノルマンデイの原始族の模倣品で、バスケツトの中に丸め込まれてあつたのを彼等は何かと思つて験めたところが、やあ
ゾイラス (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
加フルニ、民ハ疲レ、諸卒ミテ、兵器馬具モ、リ腐リテ、新鋭ノ精ナク、武人、イタヅラニ壮語大言ヲナスモ、田牛行馬デンギウカウバハ痩セ衰ヘテ、コレヲ戦場ニ駆ルモ、何ノ用カスベキ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)