“口癖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちぐせ90.2%
くちくせ9.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
年頃としごろ遠野郷の昔の話をよく知りて、誰かに話して聞かせ置きたしと口癖くちぐせのようにいえど、あまりくさければ立ち寄りて聞かんとする人なし。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
父の上野介が、母へ気がねしては、口癖くちぐせにこう云っていた邸である。その父の気持を考えると、左兵衛佐は、耐えられなくなる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
病人は平生へいぜいから自分の持っている両蓋の銀側時計を弟の健三に見せて、「これを今に御前に遣ろう」とほとんど口癖くちくせのようにいっていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かれは平生からひとのよく口癖くちくせにする、人間は容易なことで餓死するものぢやない、うにかなつて行くものだと云ふ半諺はんことわざの真理を、経験しない前からしんした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)