“双”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
なら20.8%
ふた18.8%
そう18.8%
ならび7.3%
ふたつ7.3%
さう6.3%
もろ6.3%
ならべ3.1%
そろ3.1%
すご2.1%
くら1.0%
1.0%
ソウ1.0%
タグ1.0%
ナラビ1.0%
モロ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わずかに数筆を塗抹とまつした泥画の寸紙の中にも芸衛的詩趣が横溢おういつしている。造詣の深さと創造の力とは誠に近世にならびない妙手であった。
うれしいっ、と叫んだのも、その面も、ふたつの袖でつつんでしまった。そして、高氏の胸へ、仆れかかるように寄って来た。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうと、外套の袖口と、膝の処が泥だらけになりおれども、顔面には何等苦悶のあとなく、明け放ちたる入りきたる冷風に吹かれおり。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ならびおかのさる法師の家にいて、小右京さまと共に、誰やら申す元お公卿の僧を、懸命に毎日さがし歩いているとのことでございましたが」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前日ぜんじつくちあさみぎはるゝ飴色あめいろ小蝦こえびしたを、ちよろ/\とはしつた——真黒まつくろ蠑螈ゐもりふたつながら、こゝにたけぢやうあまんぬる。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われにぎつて、さうまなこあきらかにさいを、多勢たぜい暗中あんちゆう摸索もさくして、ちやうか、はんか、せいか、か、と喧々がや/\さわてるほど可笑をかしことい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、早速、両腕を牡山羊のもろの角にかけた。しかし、忽ち山羊の猛襲に耐え兼ね、たじたじとなり、よろめいて手をはなした。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
入けれどもお熊は祝言しうげんの夜より癪氣しやくけおこり難儀なんぎなりとてはゝそばかしおくまちう八母はせい三郎と毎夜まくらならべて一ツをなすこと人外にんぐわいの仕方なりされども又七は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よく考へて見て下され、たとへどのやうな貧苦の中でも二人そろつて育てる子は長者の暮しといひまする、別れれば片親、何につけても不憫ふびんなはこの子とお思ひなさらぬか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
五分と五分だ、ここまでは一切が五分で、一切が両人のすご六みたいなものよ、ほんとの知己に至るまでの闘いだった、としようではないか。……どうだ佐々木
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大俗の大雅にくらぶべきや否やは知らねど、我は憤慨のあまりに書を売り筆を折りて、大俗をもつて一生を送らんと思ひ定めたりし事あり、一転して再び大雅を修めんとしたる時に、産破れ、家すたれて
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
谷合いの畠にお長のおやと兄の常吉がいた。二三寸延びた麦の間の馬鈴薯を掘っていたのである。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
マガレルハ牛ノカシラトシ、ソウナルハ牛ノ脚トシ、横ナルハ牛ノクビトシ、転ズルハ牛ノ背トシ、ホウナルハ牛ノ腹トシ、立テルハ牛ノツノトシ、オウ(胸ノ綱)シュウ(尾ノ綱)備ワリ、軸、双、エン(ながえ)ヲ仰グ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
皇子尊が、女君の摂政としてあるのは異例で、君と女君と相タグひて在る場合が、普通である。
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
代匠記で遊仙窟ゆうせんくつの「天上無ナラビ人間ヨノナカニヒトリノミ」という句を引いていたが、この歌の作られた頃に、遊仙窟が渡来したか奈何どうかも定めがたいし
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ソノ杳カナ所 燃エ煌メク深淵フカミニ難破スル オレノモロ手。擾キミダス 荊棘ヲ 暗イ溝渠カナルト人影ト死ト。ヒルガエル狂気ノ轍ト。一沫ノビテユメン。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)