“千々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちぢ76.2%
ちゞ23.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は古ぼけたぺしゃんこになった枕に顔を埋めて、じっと考えた。長い間考えた。心臓は激しく鼓動し、思いは千々ちぢに乱れ騒いだ。
胸を打って、襟をつかんで、咽喉のどをせめて、思いを一処ひとところに凝らそうとすれば、なおぞ、千々ちぢに乱れる、砕ける。いっそ諸共に水底へ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火よりも熱き千々ちゞの願ひわが目をしてかのたえずグリフォネの上にとまれる光ある目にそゞがしむれば 一一八—一二〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
千々ちゞこゝろくだいた揚句あげくつひにあんなめうことたくして、私共わたくしども弦月丸げんげつまる乘組のりくことめやうとくわだてたのです。