“匪徒”の読み方と例文
読み方割合
ひと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広栄は左右にけた障子の一方の陰にいたので正面まともに客と顔をあわせなくてもよかった。客はあの匪徒ひとの中の松山と半ちゃんであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
全篇の主旨となす所は近年英両国の入寇にゅうこうおよび回教匪徒ひとの反乱とに際して、清国の武備のはなはだ到らざることを慨歎し、以て世を警醒けいせいするにあった。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それ等の絵には義和団ぎわだん匪徒ひと英吉利イギリス兵などはたふれてゐても、日本兵は一人も斃れてゐなかつた。僕はもうその時にも矢張やはり日本兵も一人位ひとりくらゐは死んでゐるのに違ひないと思つたりした。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)