“労”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
つか31.0%
いたわ25.3%
いた21.8%
ねぎら3.8%
ろう3.8%
いたは3.5%
らう1.6%
つかれ1.3%
ねぎ1.3%
わづら0.6%
0.6%
づか0.6%
わづらは0.6%
いたはり0.3%
0.3%
つい0.3%
ついや0.3%
つこ0.3%
つと0.3%
どう0.3%
はたら0.3%
わずら0.3%
わずらわ0.3%
わづらひ0.3%
ヅク0.3%
ヤミ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「イヤ別に用事ではないが、お前は昼中働いて、つかれてもゐる事だから、せめて夜だけでも、おッ母さんに代はらせやうと思つてよ」
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
よそ行着ゆきぎを着た細君をいたわらなければならなかった津田は、やや重い手提鞄てさげかばんと小さな風呂敷包ふろしきづつみを、自分の手で戸棚とだなからり出した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こちらをいたわった上に、武芸者は相見たがいというようなわけで、一晩とめて、その上に草鞋銭わらじせんをくれて立たせてくれるに相違ない。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
折よく定助も他出からもどって風呂に入ったところで、正造の顔をみるとまず長途の旅をねぎらうのだった。だが正造は坐るといきなり
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
且つまた、本当の安楽は、世の見て以ていつとするところに存在せずして、見て以てろうとするところに存在するのではございますまいか。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
其れを知らぬ程の良人をつとでは無いが、持前もちまへ負嫌まけぎらひな気象と妻をいたはる心とから斯う確乎きつぱりした事を云ふのであると美奈子は思つて居る。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
頃者このごろ年穀ねんこく豊かならず、疫癘やくらいしきりに至り、慙懼ざんくこもごも集りて、ひとりらうしておのれを罪す。これを以て広く蒼生さうせいためあまね景福けいふくを求む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
啄木、永く都塵に埋もれて、旦暮たんぼ身世しんせい怱忙そうばうに追はれ、意ならずして故郷の風色にそむくうちに、身は塵臭に染み、吟心またつかれをおぼえぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それが済むと、彼は始めて微笑を浮べながら、妾をねぎらった。それから再び外へ出て不忍池しのばずのいけを真下に見下ろす、さる静かな料亭の座敷へ連れこんだのだった。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三三ゆゑなき所に永くらじと、三四おのが身ひとつをぬすみて国にかへみちに、此のやまひにかかりて、思ひがけずも師をわづらはしむるは、身にあまりたる御恩めぐみにこそ。
食国をすくにとほ御朝廷みかどに、汝等いましらまかりなば、平らけく吾は遊ばむ、手抱たうだきて我は御在いまさむ、天皇すめらがうづの御手みてもち、掻撫かきなでぞぎたまふ、うち撫でぞぎたまふ、かへり来む日あいまむ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
大病たいびやうでも自分で死ぬと覚悟かくごをし、医者いしや見放みはなした事も知つてり、御看病ごかんびやうは十分にとゞき、自分もう死ぬとあきらめがいてしまつても、とろ/\と病気びやうきづかれで寝附ねついた時に
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
争ひ得ずしてつひに貴婦人の手をわづらはせし彼の心は、あふるるばかり感謝の情を起して、次いではこの優しさを桜の花のかをりあらんやうにも覚ゆるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
草枕はるけき旅路のいたはりにもあらで、一九観念修行くわんねんしゆぎやう便たよりせしいほりなりけり。
母親も、「れか一人大人を附けてやりましょう」と言ったが、大人は昼の仕事にかれているので、夜頼むわけにはゆかない。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
お心をついやすまでのことはありますまい
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「人は長生きせんと思えば、うそをいうべからず。嘘は心をつかいて、少しの事にも心をついやせり。人は心気だに労せざれば、命ながき事、疑うべからず」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「むむ、半兵衛の看護みとりを頼んだぞ。くれぐれ軽はずみをさすな、気をつこうて帰城をいそぐなと、半兵衛にも伝えおけよ」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爾らのうちたれかよくおもい煩いてその生命いのちを寸陰も延べ得んや、また何故にころものことを思いわずらうや、野の百合花ゆり如何いかにしてそだつかを思え、つとめずつむがざるなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「……どんより証拠使用人が大将の為めにどうおしみません。第一人格が立派いっぱです」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
綽空様からは、必ずとも、ここへも訪ねてくることならぬといい渡されているのだから、今日、俺がここではたらいているのでも、あるいは、お叱りの種となるかも知れぬ。どうか、上人へおすがり申して、お声を
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北兵中国の兵は、みな水に馴れず、いま大江に船を浮かべ、久しく土を踏まず、風浪雨荒ふうろううこうのたびごとに、気をわずらい身を疲らす。ために食すすまず、血環ちめぐることって病となる。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
病友はこれ等をたのしみ終りまだ薬の気が切れずに上機嫌の続く場合に、鼈四郎を遊び相手にわずらわすのにはさすがの鼈四郎も、病友が憎くなった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
思ひに思ふのみにて別れて後の事は知らず、如何いかなるわづらひをやさまでは積みけん、よはひよりは面瘁おもやつれして、あやしうも物々しき分別顔ふんべつかほに老いにけるよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
木の間より洩り来る 月のかげ見れば、心ヅクしの 秋は来にけり
池辺イケベ大宮シロシメス天下アメノシタ天皇。大御身オホミミヤミ時。歳次トシハヤドレル丙午。召シテ於大王天皇太子而誓願ハク。我大御病太平サント
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)