“前兆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんちょう31.7%
ぜんてう22.0%
しらせ22.0%
まえしらせ4.9%
しるし2.4%
ぜんちやう2.4%
ぜんちよう2.4%
まえおき2.4%
まえし2.4%
まえじ2.4%
まえぶれ2.4%
まへぶれ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「灰色ネズミがあんなにたくさん進軍しんぐんしているのは、」と、ガンのユクシが言いました。「なにかよくないことの前兆ぜんちょうだぞ。」
をしまずなげきしが偖ては前夜の夢は此前兆ぜんてうにて有りけるか然し憑司殿か案内こそ心得ぬ豫て役人をこしらへての惡巧わるだくみか如何せんとひとり氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
敬之進はもう心に驚いてしまつて、何かの前兆しらせでは有るまいか——第一、父親の呼ぶといふのが不思議だ、と斯う考へつゞけたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
つまりは妾が女王になるその前兆まえしらせに違いないと思い込んで、嬉しさの余りに立ち上って鏡のまわりを夢中になって躍りまわっていました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
その男は余程の御幣ごへいかつぎとみえて、その日の新聞紙の上にくもが一ぴきとまつてゐるのを見て、気にかゝつてならないから、幸運か悪運か、どつちの前兆しるしなのか
同一おなしみづ医者いしやうち死絶しにたえた、さればかやうな美女びぢよ片田舎かたゐなかうまれたのもくにがはり、だいがはりの前兆ぜんちやうであらうと、土地とちのものは言伝いひつたへた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
活火山かつかざんあらたに活動かつどう開始かいししようとするとき何等なんらかの前兆ぜんちようともな場合ばあひがある。土地とち噴火前ふんかぜん次第しだい隆起りゆうきしたことは、大正三年たいしようさんねん櫻島噴火さくらじまふんかおいはじめてづかれた事實じじつである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
思わずゾッと致しました位で……ヘイ……けれども真逆まさか、それがあのような事の起る前兆まえおきとは夢にも思い寄りませなんだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこには絵のように美しい藍丸王の宮殿が見えて、そこから又もや最前よりもずっとにぎやかな音楽の響が聞こえて来ました。これはいよいよお目見得の式がはじまるという前兆まえしらせでした。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
前兆まえじらせする夢なのか、本当ほんとに不思議な今朝けさの夢。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
また、前の年の秋頃から、時々、浅間山が噴火し、江戸の市中にうっすらと灰を降らせるようなこともあったので、旁々かたがた、何か天変の起る前兆まえぶれでもあろうかと、恟々きょうきょうたるむきも少くなかった。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
凶い前兆まへぶれのやうに、一つの小石がころがり落ちた。其處に立つてゐる人たちは、彼がその下にとゞくまで、彼を目で跟けないではゐられなかつた。