“前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まえ29.7%
さき20.1%
ぜん14.3%
めえ13.8%
まへ12.5%
まい1.5%
すす0.9%
さきの0.9%
めい0.6%
0.5%
0.5%
せん0.5%
サキ0.5%
あと0.5%
すゝ0.4%
むこう0.3%
めへ0.2%
もと0.2%
アト0.2%
0.1%
ひさし0.1%
ゼン0.1%
みまへ0.1%
ボーダー0.1%
あたり0.1%
きき0.1%
きそ0.1%
さい0.1%
ささ0.1%
さっき0.1%
0.1%
なれ0.1%
まァえ0.1%
みちのくち0.1%
めや0.1%
めん0.1%
めー0.1%
もえ0.1%
セン0.1%
プレ0.1%
メエ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言語や名称は時代によって意味が違って来る。「おまえ」という言葉は昔は至尊の御前おんまえに称するもので、先方に対する最敬語であった。
六郎の馬がさきになって堂のまえまで往ったところで、馬が不意に物に狂ったように、身顫みぶるいしたために、六郎は馬から落ちてしまった。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
五十年ぜんの日本人は「神」といふ言葉を聞いた時、大抵たいてい髪をみづらにひ、首のまはりに勾玉まがたまをかけた男女の姿を感じたものである。
文章と言葉と (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「もっとも、おめえにはそこまでは聴かせなかったよ、土壇場になって、聟の身代りになるのが嫌だなんて言い出されると困るからな」
るとぞつとする。こけのある鉛色なまりいろ生物いきもののやうに、まへにそれがうごいてゐる。あゝつてしまひたい。此手このてさはつたところいまはしい。
お道どん、お前のまいだけれどもう思い切ってるんだからね、人のへえらねえ処だし、お前、対手あいてはかよわいや。そこでもってからに
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時として長距離をすすはしって後同じ道筋を跡へ戻る事数百ヤードにしてたちまち横の方へ高跳たかとびして静かにかくれ居ると犬知らず前へ行ってしまう。
其方そのほう塙江漢はなわこうかんとやらいう老いぼれの無役者むやくものに加担いたして、畏れ多くも、さきの黄門龍山公のご隠居所をうかがいに来た犬であろう」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そいでもおめいは金をめ込んどる話だで困らんが俺らは全く困るよ! 俺ァ繭が十両しとっても困っとったんだで
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
まア寺男からおさんの子じゃア有るけれども眞達さんまでもわれえ事にそまりまして、それからおさん此の頃寺で賭博ばくちますと
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さん、有象無象うぞうむぞうが声を納めて、しんみりとしたろうじゃねえか。戦だね。泣くやら、はははははは、笑うやら、はははは。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして病院へ入れたり、海辺へやったりして手を尽して来た、せんかみさんの病気の療治に骨の折れたことや、金のかかった事をもこぼした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
岡のサキが、庭にのり出て、まだ早い緑をひろげてゐる。山の小鳥が揃うて、何か啄んでゐるのは、小さな池の汀に咲き出した草の花があるのである。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
山「まア思い掛けない事で、お前さんは三年あとに池上の田甫たんぼへ出口の石橋の処の茶見世に出ておいでのお蘭さんとか云う娘さんだねえ」
主人の朝井玄龍は、平次と喜三郎を別室に案内すると、折入つての膝をすゝめるのでした。
山のむこうの親戚の家に餅搗があって、其の手伝いに頼まれたので、小供を留守居にして置いて、朝早くから出かけることになった。
白い花赤い茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
兄貴が亡くなる、おめへがやつて来る。葬式おじやんぼんを出す、御苦労招びから、礼廻りと、丁度今日で六日目だ。あゝ、明日は最早もう初七日だ。日数の早くつには魂消たまげて了ふ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ただ夢中です、身も世もあられぬ悲嘆かなしさを堪え忍びながら如何いかにもしてもとの通りにたいと、恥も外聞もかまわず、出来るだけのことをしたものです。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
此寺の落慶供養のあつたのは、つい四五日アトであつた。まだあの日の喜ばしい騷ぎのトヨみが、どこかにする樣に、麓の村びと等には、感じられて居る程である。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
東京で彼岸ザクラといえば後とにもきにも上野公園のもののみが登場して、そこでその木を一概にそう思い詰めているのである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼は、母が呼んで呉れた俥の上で、鳥打帽子のひさしを眉の下まで降し、毛皮に埋つた頬ツぺたの生温い感触に擽つたさを覚えながら、停車場へ走つた。
「悪」の同意語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ゼン少貳殿でなくて、弓削新發意ユゲシンボチの方であつてくれゝば、いつそ安心だがなあ。あれなら、事を起しさうな房主でもなし。起したくても、起せる身分でもないぢやまで——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「これの鏡は、もはらが御魂として、吾が御前をいつくがごと、いつきまつれ。次に思金の神は、みまへことを取り持ちて、まつりごとまをしたまへ
ボーダーハインダーアッパー)と、三部に分れる初期の沙翁舞台——。その様式を復興しようとして、彼は二十年前の大正初年に日本を出発した。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
袖にはくちなわ、膝には蜥蜴とかげあたり見る地獄のさまに、五体はたちまち氷となって、慄然ぞっとして身を退きましょう。が、もうその時は婦人おんなの一念、大鉄槌てっついで砕かれても、引寄せた手を離しましょうか。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二足にそくつかみの供振ともぶりを、見返みかへるおなつげて、憚樣はゞかりさまやとばかりに、夕暮近ゆふぐれぢか野路のぢあめおもをとこ相合傘あひあひがさ人目ひとめまれなる横※よこしぶきれぬききこそいまはしも
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
きそむら立出たちいでゝ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
たるぞ、軍陣ぐんぢん門出かどでさい
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
というとささへ立って駆け出したんで、みんながぞろぞろとついて行くと、鍍金の奴は一足おくれで、そのあとへ、こけ勘。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
種々いろんなことが逆上こみあがって、咽喉の奥ではむせぶような気がするのをじっこらえながら、表面うわべは陽気に面白可笑く、二人のいる前で、さっき言った
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
鼻をこのもしい香りに、編笠をかかげて見返えりますと、僕の肩にかたげられたは、今ての園咲そのざきの白つつじが、白く涼しく匂っているのです。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
わっちが今立聞をしていたら、孝助の母親おふくろ咽喉のどを突いて、おなれさん方の逃げた道を孝助におせえたから、こゝへ追掛おっかけて来るにちげえねえから、おめえさんは此の石橋の下へ抜身ぬきみ姿なりで隠れていて
わたしはまァえでむすんでよ。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
かれ建内の宿禰の命、その太子ひつぎのみこまつりて、御禊みそぎせむとして、淡海また若狹の國を經歴めぐりたまふ時に、高志こしみちのくち角鹿つぬがに、假宮を造りてませまつりき。
めえアノ大鞆が何時出て行たか知ないか(小)何でもおめや様が出為でさしってから半時も経たんべい
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
長「エヽ…お久がおめんとこに往ってるとえ」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この時検挙されたユタの親玉は小禄おろくのクンパタグワーのユタ、垣花蔵かちぬはなくらめーのユタ、トーのパアー/\、前東江めーあがりーのユタ、の四人でありましたが、首にチャー(枷?)というものをかけられ
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
商「エーイ主人がね此方こっひえようとすう、てもえ此方ほっひけようとする時にほろがりまして、主人の頭とうわしの頭とぼつかりました処が、石頭ゆいあさまいさかった事、アハアしべてえや」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
セン少貳殿でなくて、弓削新發意ユゲシンボチの方であつてくれゝば、いつそ安心だがなあ。あれなら、事を起しさうな房主でもなし。起したくても、起せる身分でもないぢやまで——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
それは南米のインカ文明の前に、プレインカ民族というかなり高度の文化をもった民族がいて、それが大洋を渡って、南太平洋群島へ渡ってきたという説である。
牛の丸焼 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
メエが友達と一処になんて泊りがけで、ヨウ、旅になんか出かけても、いや、好く出かけさせるんだアなア! 阿母さんは、平気なのけえ? ……俺アの時分ぢや
秋晴れの日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)