“刻下”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こっか44.4%
こくか33.3%
いま11.1%
さが11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人は、ようやくの思いで刻下こっかの志をげると、すぐ反動が来て、かえって志を遂げた事が急にうらめしくなる場合がある。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
炳乎へいことして明らかに刻下こくかの我をてらしつゝある探照燈のやうなものである。従つて正月が来るたびに、自分は矢張り世間なみ年齢としを取つて老い朽ちて行かなければならなくなる。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そも何者が訴人そにんをしてかくも捕り手のむれをさしむけたのか?——という疑惑ぎわくとふしぎ感だったが、そんな穿鑿せんさくよりも刻下いまは身をもってこの縦横無尽に張り渡された捕縄ほじょうの網を切り破るのが第一
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
翌日なゝつ刻下さがりになりまして峠を下って参ったのは、越中富山の反魂丹を売る薬屋さん、富山の薬屋さんは風呂敷包を脊負しょうのに結目むすびめを堅く縛りませんで、両肩の脇へ一寸ちょっと挟みまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)