“切歯”のいろいろな読み方と例文
旧字:切齒
読み方割合
せっし45.2%
はがみ35.5%
はぎしり9.7%
せっぱ3.2%
せつし3.2%
はぎし3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とりわけ、近世の歴代中でも、比類なき英邁えいまいな質をもってお生れあったという今上きんじょう後醍醐とすれば、切歯せっしのおちかいも、当然なわけで
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからのちの私たち二人は、肉体からだ霊魂たましいも、ホントウの幽暗くらやみい出されて、夜となく、昼となく哀哭かなしみ、切歯はがみしなければならなくなりました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これが、それ……お湯殿で御殺害なされた時に、木太刀でも一本あればと切歯はぎしりして仰しやつた……。そのため、木太刀をさし上げて、ぐわん
知多の野間で (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
窮して坑夫になるとか、ならないとか云う切歯せっぱ詰った時でさえ自分はこれほどの虚栄心をっていた。泥棒に義理があったり、乞食に礼式があるのも全くこの格なんだろう。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新聞右手めてに握り締めたるまゝ、篠田は切歯せつしして天の一方をにらみぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と一句に力をめて制する母親、その声ももウこう成ッては耳には入らない。文三を尻眼しりめに懸けながらお勢は切歯はぎしりをして
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)