“冬陽”の読み方と例文
読み方割合
ふゆび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
降るか降らないかのような時雨しぐれが道を濡らしていたが、鳳輦みくるまが御所を出るころには、冬陽ふゆびし、虹の立ちそうな美しい鹿島立ちになった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠々とほどほに消えてゆくものは雀のかげ、冬陽ふゆびの名残、時雨も幽かにわたつてゆくが、ともすると、いつのまにやら雪になつてる。函根あたりは猶さらだ、白い白い雪の野山だ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
外の大気は明るく、武者陣の甲冑には、冬陽ふゆび虹色にじいろ陽炎かげろうしていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)