“僅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わず53.1%
わずか27.6%
わづ9.9%
わづか7.7%
たっ0.4%
たつ0.3%
0.1%
たった0.1%
きん0.1%
たッた0.1%
つい0.1%
はつ0.1%
はづか0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あんまひどすぎる」と一語ひとことわずかにもらし得たばかり。妻は涙の泉もかれたかだ自分の顔を見て血の気のないくちびるをわなわなとふるわしている。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
又そこに住んでいる人々も昔の様に多数の人々が住んでいるにかかわらず、十人の中わずかに二、三人しか見出す事が出来ない有様であって
現代語訳 方丈記 (新字新仮名) / 鴨長明(著)
わすれてゐることはないかとかんがへて見るが、萬事手はづとゝのつてゐる。そこで金太郎は、二時間といふわづかな時間をもてあましてしまふ。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
左右は千丈の谷なり、ふむ所わづかに二三尺、一脚ひとあしをあやまつ時は身を粉砕こなになすべし。おの/\忙怕おづ/\あゆみてつひ絶頂ぜつてうにいたりつきぬ。
だが、たった一つ、弾条ゼンマイを捲いて置くのを忘れたんだよ。僕はあの蜘蛛糸を見た時、此れなら不在証明を作れると直感したのだ。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
詮方せうことなしに煙草の会社へ通つて居た十一になる娘を芳原よしはらへ十両でうつて、それも手数の何のツて途中へ消えて、手に入つたのはたつたお前、六両ぢやねいか、焼石に水どころの話ぢやねエ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
僕等が訊きたいのは、ったそれだけです。どんなに貴女を、犯人に決定したくなくも、つまるところは、結論が逆転しない限りやむを得ません。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
払うも払わぬも今一言の言葉のあや……今一言……たった一言……その一言をまだ言わぬ……折柄おりからガラガラと表の格子戸こうしどく音がする……吃驚びっくりして文三はお勢と顔を見合わせる、蹶然むっく起上たちあが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
しかしヘンデルはその間にも名作「アルキーナ」を作り、きん々十日間で「アレキサンドルの祭」を書いた。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
こう言出したと云ッて、何にも貴嬢あなたに義理を欠かしてわたくしのぞみを遂げようと云うのじゃア無いが、唯貴嬢の口からたッた一言、『断念あきらめろ』と云ッていただきたい。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
乃公おれ先刻さっきからつい半間とは離れぬ処にいるんだぞ。今日は乃公が死にかけたので、只今見舞人が罷越まかりこしたのであるが、肝腎要目かなめの御当人の姿が見えないので、お母さんが探しに来たのである。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ありし雛遊ひなあそびのこゝろあらたまらずあらたまりし姿すがたかたちにとめんとせねばとまりもせでりやうさん千代ちいちやんと他愛たあいもなき談笑だんせふては喧嘩けんくわ糸口いとぐち最早もう来玉きたまふななにしにんお前様まへさまこそのいひじらけに見合みあはさぬかほはつ二日目ふつかめ昨日きのふわたしるかりし此後このご
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これ山川さんせん風土ふうど氣候等きこうとう地理的關係ちりてきくわんけいしからしむるところであつて、すべてのものはじんまりとしてり、したがつて化物ばけものみな小規模せうきもである。希臘ぎりしやかみみな人間にんげんはづかにおばけはあるが、こわくないおばけである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)