“傍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そば40.1%
かたわら16.6%
わき10.7%
はた9.7%
かたわ8.1%
かたはら4.9%
かたえ3.4%
かたへ1.5%
かた1.2%
かたは1.0%
0.6%
ばた0.4%
あたり0.3%
そひ0.2%
ほとり0.2%
カタ0.2%
0.2%
がわ0.1%
よそ0.1%
かたがた0.1%
がは0.1%
そう0.1%
そび0.1%
そべ0.1%
にき0.1%
はと0.1%
0.1%
ほと0.1%
ウヘ0.1%
カタハラ0.1%
ソバ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それっきりでございます。もっとも、私の秤は死骸のそばにも見えませんでした。あわててどこかへ振り落したのでございましょう」
太吉は全く火の燃え付いたのを見て、又かたわらの竹を取り上げて小刀であなを明けはじめた。白いこまかな粉がばらばらと破れた膝の上に落ちる。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
寝床の敷いてある六畳の方になると、東側に六尺の袋戸棚ふくろとだながあって、そのわき芭蕉布ばしょうふふすまですぐ隣へ往来ゆきかよいができるようになっている。
変な音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
無口な母親は、娘の言葉に輕く雷同するだけだつたが、才次がはたで聞いてゐようものなら、默つて妹に話を續けさせて置かなかつた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
二年生のときにN先生の研究の手伝いのかたわらそれに縁のあるミラージに関する色々の実験をしたことも生涯忘れられぬ喜びであった。
科学に志す人へ (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
七三君は賢弟と南おもてえきして遊ばせ給ふ。掃守かもりかたはらに侍りて七四このみくらふ。文四がもて来し大魚まなを見て、人々大いにでさせ給ふ。
かえって夫人がさしうつむいた、顔を見るだにあわれさに、かたえへそらす目の遣場やりばくだんの手帳を読むともなく、はらはらと四五枚かえして
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わが導者そのかたへにたちよりていづくの者なるやをこれに問へるに、答へて曰ひけるは、我はナヴァルラの王國のうまれなりき 四六—四八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
お松としては、言句ごんくも出ないほど浅ましい感に堪えなかったので、かたえにいたムクをつかまえて、こんなことを言いかけてみました。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼女自身は裁縫やお花などを習ふかたはら、今迄の玉帳とはちがつた小遣帳をつけたり、婦人雑誌やラヂオで教はつた惣菜そうざい料理を拵へたり
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
○寺島の渡は寺島村なる平作河岸へいさくがしより橋場の方へ渡る渡なり。平作河岸とは大川より左に入りてただちに堤下に至る小渠にへる地をいふ。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
置いてきぼりにされた小山内氏は、履直げたなほしのやうにみちばたにぺたりと尻を下した。そして一念こめてじつと電車のあとを睨んだ。
「斯うしていても際限きりがないから、……私、最早もう帰りますよ。じゃこれで一生会いません。」と、あたりを憚るように、低声こごえで強いて笑うようにして言った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「伊香保ろのそひ榛原はりはらねもころに奥をな兼ねそまさかし善かば」(巻十四・三四一〇)、「さ百合ゆりゆりも逢はむと思へこそ今のまさかもうるはしみすれ」(巻十八・四〇八八)等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それはその中の一人が話をはじめたがためであった。その話は神通川のほとりになったあんねん坊の麓に出ると云うぶらり火のことであった。
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
而も二首ながら「あしびきの此カタ山の……」と言つて木の事を言ふのは、大殿祭オホトノホカヒ山口祭ヤマクチマツリの祝詞と一筋で、新室祝言の型なる事を明らかに見せて居る。
私は舌をあらしているのにこりもせず、煙草を取り出して火をつけた。そして路のきを見ると路に沿って山吹や木苺が叢生していた。
遠野へ (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
セエラは車道を横切って、向うがわの歩道に辿りついた時、もう一度娘の方をふりかえって見ました。娘はまだ食べるのに夢中でしたが、かじりかけてふとセエラの方を見て、ちょっと頭を下げました。
貫一は知らざる如く、彼方あなたを向きて答へず。仔細しさいこそあれとは覚ゆれど、例のこの人の無愛想よ、と満枝はよそに見つつもあはれ可笑をかしかりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
六世紀に至ってようやく盛んになり、支那との往来もまた繁くなったが、泊港はこれらの船舶を入るるには余りに狭く、かたがた政治上の都合などもあって、那覇を築港して貿易港にあてた。
浦添考 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
この共同湯きようどうゆむかがはは、ふちのやうにまたみづあをい。對岸たいがん湯宿ゆやど石垣いしがきいた、えだたわゝ山吹やまぶきが、ほのかにかげよどまして、あめほそつてる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一商家(米家五兵衛)に休。日午なり。駅中に石を刻して蛭子神ひるこのかみを造りて街頭に立つるあり。(宰府辺にいたるまで往々有り。)駅を離れて六本松の捷径を取り小礫川せうれきせんそうて行く。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
もう一ぺんうでみうと思つてちや、声ん出んだツたツ。寝台のそびあ立つたまま、あん人んとるつらばぢつと見とツたツた。そしたりや、ひよくつと布団ば被つてしもたツだもね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
うらのような百姓にそべへ参ってゆっくりてえ挨拶して行くたアえらいねえと噂アして、おめえさま帰って仕舞ったあとで見ると置いたつゝみえから後を追掛おっかけておまえさまア尋ねたが、混雑中こむなかだから知れましねえ
これも学問研究の一つと思うて、生命いのちがけでにきへ寄って見たが、その情愛の深いことというもんなア……あの通りのノッペラボーの姿しとるばってん、その色気のある事チュタラなあ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
宮内の命を恪守かくしゅして、先刻から昔の外濠、今は無名の流れのはとりに、老僕はただ一人、木の伐株きりかぶしりをかけていた。やがて老僕の眼の前に男二人女一人が現れた。
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
かれ火たき小子わらは二人、かまどに居たる、その小子どもに儛はしむ。ここにその一人の小子、「汝兄なせまづ儛ひたまへ」といへば、その兄も、「汝弟なおとまづ儛ひたまへ」といひき。
「竹渓書院竹渓傍。又値新年此挙觴。魏闕只言聊玩世。并州豈料竟為郷。官情一片春氷薄。旅思千重烟柳長。江戸東風三十度。空吹愁夢到南張。」〔竹渓書院竹渓ノほとリ/又新年ニヒテ此ニ觴ヲ挙グ/魏闕只言フ聊カ世ヲ玩ブト/并州豈はかランヤ竟ニ郷トルヲ
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
新漢イマキなる小丘ヲムレウヘに雲だにも シルくし彷彿タタば、何か嘆かむ(斉明天皇——同)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
と言ふ人のわるいあふりての口車に乗せられて、こんな大それた物を、書いた次第なのですから、カタハラいたい処は、御同様、目を瞑つて頂くことです。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソバニハ一冊ノ参考書モナケレバ、辞書ノカゲサエナイヨウダ、コレガ御自慢、ペン一本ダケ、ソレカラ特製華麗ノ原稿用紙、ソロソロ、オ約束ノ三枚、三枚、ナンノ意味モナイ
走ラヌ名馬 (新字新仮名) / 太宰治(著)