“偉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えら55.2%
おお9.8%
えれ6.6%
6.0%
5.5%
おほい3.8%
おおい3.8%
おほ3.3%
すぐ2.7%
えろ1.1%
きつ0.5%
おおき0.5%
おほき0.5%
たくま0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これえらい!……畫伯ぐわはく自若じじやくたるにも我折がをつた。が、御當人ごたうにんの、すまして、これからまた澁谷しぶやまでくゞつてかへるとふにはしたいた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あんな暗いじめじめしたところに居ながら、とあの細い茎や根のすみずみにまで行きわたって居る、生の力のおおきなのにびっくりした。
「知らねえと思ふ人間ふとに何故聞かつしやるだ。」と百姓は蟷螂かまきりのやうにくれた顔をあげた。「これはあ、索靖さくせいといふえれえ方の書だつぺ。」
もし逆境の世にのぞんでいたら、もし輔佐の臣が良かったら——あるいはある程度までのひとには成れても、到底、なる主君ではあり得なかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕は一陣の風の中に餌ものを嗅ぎつけた猟犬のやうに、かすかな戦慄の伝はるのを感じた。——と云ふとらさうに聞えるかも知れない。
金春会の「隅田川」 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
また最終いやはての夜と最始いやさきの晝との間に、これらの道のいづれによりても、かくたふとくかくおほいなるわざは爲されしことなし爲さるゝことあらじ 一一二—一一四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あわれ水よ、おおいなる宇宙を三分して、その一を有するなんじ、瀬となり、滝となり、ふちとなり、のあたり我が怪しき恋となりぬ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれどそれは所詮、菊池さんの持ち味といふべきもので、取つて範とするにはおほきすぎるし、矛盾だらけでひとには眞似られるものではなかつた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
もっと既にこの時世界の不況は大英の財界にも押し寄せて来て、彼の顧問会社の脈搏不整はこのすぐれた財政家に騎士時代の革財布を丹念につくろうような閑道楽を許さなくなってもいた。
バットクラス (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
えん優婆塞うばそくの流れを汲む豊前ぶぜん僧都そうずと自分から名乗って、あの辺では、信者も多く、えろう権式ぶっている修験者しゅげんじゃだそうでござります
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乳母 はれま、結構けっこうなお教訓けうくんぢゃ、すがら此處こゝ居殘ゐのこっても、聽聞ちゃうもんがしたいわいの。てもま、學問がくもんきついものぢゃな! 殿とのさん、貴方こなたさしますことをひいさまにまうしましょ。
曽根は、今日は一日社も休み、「自分の生命」のために、そんな小さなことに煩わされずに、もっとおおきいことについて静かに瞑想めいそうしようと思うた。
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
……つひむかふを、うです、……大牛おほうし一頭いつとう此方こなたけてのそりとく。図体づうたいやまあつして野原のはらにもはゞつたいほど、おぼろなかかげおほきい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それに比べると、種牛は体格も大きく、骨組もたくましく、黒毛艶々として美しい雑種。持主は柵の横木を隔てゝ、其鼻面を撫でゝ見たり、咽喉のどの下をさすつてやつたりして
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)