“他所”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よそ93.0%
ほか2.6%
わき1.8%
たしよ0.7%
たしょ0.7%
はた0.4%
ひと0.4%
ヨソ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飯縄山のすぐ北にならんでいる黒姫山の蒼翠は、このおそれ入った雲の群集を他所よそにして、空の色と共に目もさむるばかり鮮かであった。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
しめしは江戸四宿の内只此品川のみ然れば遊客いうきやくしたがつて多く彼の吉原にもをさ/\おとらず殊更ことさら此地は海にのぞみてあかつきの他所ほかよりも早けれど客人まろうど後朝きぬ/″\
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「然うでございます。駿河半紙も名産でございます。この辺ではその駿河半紙のことを半紙といって他所わきの半紙のことを倉半紙くらはんしといいます」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
令史れいしおほいあやしみ、すなはことばごとく、宿直とのゐひそかかへりて、他所たしよにかくれてつまうかゞふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
浜町河岸はまちょうがしには今以て昔のように毎年水練場が出来ながら、わが神伝流の小屋のみは他所たしょに取払われ、浮洲に茂った蘆の葉は二度と見られぬものとなった。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
若林と吾輩がイクラ他所はたから苦心努力しても、現在の自己障害……『自我忘失症』から離脱出来ないであろう事が、やっと今になって判ったのだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
其中そのうちに乃公は喉がかわいた。水を持って来いといえば係りの男が持って来るだろうけれど、人を呼んだりしては他所ひとの安眠の妨害になると思って、乃公はそっと起きて水を飲みに行った。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「それは分つてるけれど、併し他所ヨソの親は皆々お母さん程極端ぢやあない。」
その頃の生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)