“亡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
51.6%
ほろ17.0%
うしな7.9%
なく5.6%
3.7%
なくな3.6%
ほろぼ2.6%
かく2.3%
なき0.9%
うしの0.8%
0.5%
ばう0.4%
うし0.4%
うせ0.3%
0.3%
ほろぶ0.3%
むな0.3%
もう0.3%
ホロ0.3%
0.1%
なくなり0.1%
0.1%
くた0.1%
せんの0.1%
なか0.1%
ぼう0.1%
むなし0.1%
ゆき0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田舎では問屋本陣とんやほんじんの家柄であった女主は、良人おっとくなってから、自分の経営していた製糸業に失敗して、それから東京へ出て来た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
春に誇るものはことごとくほろぶ。の女は虚栄の毒を仰いでたおれた。花に相手を失った風は、いたずらにき人の部屋にかおめる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おのれも一三六いとほしき妻をうしなひて侍れば、おなじ悲しみをも一三七問ひかはしまゐらせんとて、一三八して詣で侍りぬといふ。
何を伯母さん、おつしやる、し貴女に死なれでもして御覧なさい、私はほとんど此世の希望のぞみなくして仕舞ふ様なもんですよ、何卒ネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
この十蔵が事は貴嬢きみも知りたもうまじ、かれの片目はよこしまなる妻が投げ付けし火箸ひばしの傷にてつぶれ、間もなく妻は狂犬にかまれてせぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
かう言つて源太郎も、七十一で一昨年をとゝしなくなつた祖母が、子供の時にこのおかめ人形を見た頃の有様を、いろ/\想像して見たくなつた。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
大化改新は、先ず蘇我一族をほろぼすことから始められたが、その主たる目的は、天皇家の日本支配の確立、君臣の分の確立ということだ。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
かくれになった姫君の代わりにほしいと、物の数でもございません方のことさえも宇治の弁の尼からお言わせになりましてございます。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
なさざれば其方をつと有ると思ふかやをつとはやなきなり因て我にしたがふべしと云ひければお梅は不審いぶかり何故なにゆゑをつとなしと云ひ給ふととふに粂之進は微笑ほゝゑみ其方が夫喜八は火附盜賊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ゴケは「後家」などという文字をはやくから書いて、次第に夫をうしのうた不幸な女のみに限るようになったが、奥羽は一般にその語の用法がはるかに広い。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
龐涓はうけんくこと三日みつかおほひよろこんでいはく、『われもとよりせいぐんけふなるをる。りて三日みつか士卒しそつぐるものなかばにぎたり』
江戸には未亡人敬の帰り去つた後、猶ばう霞亭のために処理すべき事があつたと見える。茶山は蘭軒に、「北条事に付これはかくせよ、かれはいかがせよと被仰下たく候」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
仰付らるゝにより迅速すみやか正路しやうろの人になるべきはずなれども又人間に出る時は以前いぜんに一そう惡事の効をつみつひには其身をうしなひ惡名を萬世に流すを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
妙光女魂既にうせたりといえども、容儀儼然活けるがごとく、妍華けんか平生に異ならざるをあいいいて曰く、この女かくまで美艶にして、遠くもとむるも等類なしと、各々染心ぜんしんを生じ
御位みくらいにおきにならずに一臣下で仕えていらっしゃるのは、大納言さんがもう一段出世ができずにおくれになって、お嬢さんが更衣こういにしかなれなかった
源氏物語:19 薄雲 (新字新仮名) / 紫式部(著)
自身に足るほどの物があつたら、それでえと満足して了うてからに手を退くやうな了簡りようけんであつたら、国はたちまほろぶるじや——社会の事業は発達せんじや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おこさんと志ざし牛馬にひとしき荒稼あらかせぎしてはげめども元より母は多病たびやうにて始終しじう名醫にも掛しかど終に養生やうじやうかなはずむなしく成しが其入費いりめ多分有る所へ又叔母をやしなひ妻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「慧能ガ厳父ノ本貫ハ范陽はんようナリ。左降さこうシテ嶺南ニ流レテ新州ノ百姓トナル。コノ身不幸ニシテ父又早クもうス。老母ひとのこル。南海ニ移リ来ル。艱辛貧乏。まちニ於テ柴ヲ売ル」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼ノ計ヲ用イテハカルハ彼ノ力ヲ以テ彼ヲホロボス也——です。願わくは太守には、何もご存じないていで、ふたたびご出陣と触れ、城外五十里ほど進み、すぐまた、急にお城へ取って返して下さい。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近づいて、切ッ払って、ける覚悟し——いたずらに騒いでは、かえって、此の場合、逃げ場を失うのは、知れ切っている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
拍子ひやうしの悪いことには梅子さんの三歳みつの時に奥様がおなくなりになる、それから今の奥様をお貰ひになつたのですが、貴様あなた、梅子さんも今の奥様には随分ひどい目にお逢ひなさいましたよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
何卒どうぞわしえ後は国のいえが立ちますようお守りなすって下さいまし、南無阿弥陀仏/\/\
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
七ツの鐘なりと進めて出立させて置殺して取とはなにごとぞうらめしや長庵どのとひよろ/\立を蹴轉けころばし愚※々々ぐづ/\云はずとだまつてくたばれこの世のいとまとらせてやらんと又切付れば七てん八倒ばつたうくう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此婆に迄頭を下げぬばかりの御依頼おたのみなんで御座います——此婆にしましてが、せんの奥様おくさまにお乳を差上げ、又た貴嬢あなたさまをも襁褓むつきの中からお育て申し
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
詮ずるに自他の悲しみを此胸一つに收め置いて、なからん後の世まで知る人もなき身の果敢はかなさ、今更いまさら是非もなし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ぼうじにし者どもなり
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
付ず取調て御見分ごけんぶんの御役人へ御わたし申すべしと細々こま/″\御遺言ごゆゐごん有て終にむなしく成給ひし然ば泣々おほせの如く取計ひ御石碑せきひをも建立こんりふして御後の取まかなひ萬事すませ後下人共へは御紀念かたみ金を分與へて暇を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『人死亡みまかる時に、若くはわなきて自らしたがひ、或は絞きて殉はしめ、及びあながちにゆきし人の馬を殉へるが如き旧俗は、皆悉くとどめよ』
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
此屋号は、はなやといふ音の第一綴音に、音勢点があるので、今の大阪語の花屋は、其音勢がくなつてゐる。今を標準とすれば、勿論、花屋ではない、と言ふことは出来る。
折口といふ名字 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)