“乞食”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こじき80.2%
こつじき10.5%
かたゐ2.0%
ものごい1.5%
こも1.5%
ほいど1.2%
おこも0.9%
ほいと0.6%
かたい0.3%
かたひ0.3%
ものもらい0.3%
コジキ0.3%
ホイド0.3%
ホエド0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
シナ人の乞食こじきが小船でやって来て長い竿さおの先に網を付けたのを甲板へさし出す。小船の苫屋根とまやねは竹で編んだ円頂で黒くすすけている。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
かれ路頭ろとう乞食こつじきごとく、腰をかがめ、頭を下げて、あわれみを乞えり。されどもなお応ずる者はあらざりしなり。盲人めしいはいよいよ途方とほうに暮れて
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その怒りあらだつさまはさながら立止たちどまりてうちつけに物乞ふ乞食かたゐにむかひて群犬むらいぬはせいづる時の如く 六七—六九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「あッハッハッハッ。……いずれは野良犬か、狐か狸か、乞食ものごいなどが食べてしまうのでございましょうが、とにかくお斎は毎日綺麗になくなります」
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これを拾った者は、お乞食こもさんでも樽拾たるひろいでも、一人だけ邸内へ許されて、仏前に焼香する資格があるのだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私共は、ズラリと女の前に立披たちはだかつて見てゐた。稍あつてから、豊吉が傍に立つてゐる万太郎といふのの肩を叩いて、『汚ねえ乞食ほいどだでアなあ。首玉ア真黒だ。』
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
門づけになろうと乞食おこもになろうと、悔いもなければ未練もなく、先に出世がある身でなければ、恥ずかしいこととてござりませぬ。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ほんとにお石の云う通り、乞食ほいとして暮しても、このごろのように怨みの塊りのようになっている境涯からぬけられたら、それでいい。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
たとい異土いど乞食かたいとなろうともふるさとは再び帰り来る処に非ずの感を深くするなり。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
いふ所謂いはゆる乞食かたひ棒打ぼううちにてすこしも役に立ざれば腹の立のは無理ならねど此は是までの事と斷念あきらめ必ず案じる事なかれととけさとせど娘氣の亂れ染ては麻糸あさいととくよしもなき其をりから隣の家の糊賣のりうりお金例の如く營業なりはひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
銀のような白髪を背後うしろたば繻珍しゅちんの帯を胸高に結んだろうたけた老女がこっちを見ながら静かに鼓を調べている。その物腰が上品で乞食ものもらいの類とは見えなかった。
開運の鼓 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自省ジセイナオケレバ千万人センマンニンエドモ、——イヤ、握手アクシュハマダマダ、ソノタテノウラノ言葉コトバヲコソ、「自省ジセイナオカラザレバ、乞食コジキッテモ、赤面狼狽セキメンロウバイ被告ヒコク罪人ザイニン酒屋サカヤム。」
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
カダルマゴにもよめにも皆死なれデ、村役場ガラコメコだのジエンコだのもらて、ムマヤよりもマダきたね小舍コヤコ這入ハエテセ、乞食ホエドして暮らすマナグデ來るデバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)