“中前栽”の読み方と例文
読み方割合
なかせんざい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春琴は明治十九年六月上旬より病気になったが病む数日前佐助と二人中前栽なかせんざいに降り愛玩あいがん雲雀ひばりかごを開けて空へ放った照女が見ていると盲人の師弟手を取り合って空を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
高いへいの門をくぐると櫺子格子れんじごうしの表つきの一構えがあって、玄関の土間から裏口まで通り庭が突き抜けてい、わずかに中前栽なかせんざいの鈍い明りがさしている昼も薄暗い室内に
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あの家にはささやかながら中前栽なかせんざいがあって、奥の茶の間にいると、その前栽の植え込みを透かして、土蔵の戸前の見える風情ふぜいが、今もなつかしく眼前に描かれるのであるが
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)