“一隅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちぐう80.6%
ひとすみ13.0%
かたすみ4.6%
かたほとり0.9%
はじ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その人が玄関からはいったら、そのあとに行って見るとものは一つ残らずそろえてあって、かさは傘で一隅いちぐうにちゃんと集めてあった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
豆はその中から断えず下へ落ちて行って、平たく引割られるのだそうだ。時々どさっと音がして、三階の一隅ひとすみに新しい砂山ができる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
暗いからわからぬが、何か釜らしいものが戸外の一隅かたすみにあって、まき余燼もえさしが赤く見えた。薄い煙が提燈をかすめて淡く靡いている。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
我等はこゝの一隅かたほとり、廣きあかるき高き處に退きてすべてのものを見るをえたりき 一一五—一一七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一隅はじには、座蒲団ざぶとんを何枚も折りかさねた側に香立てをえた座禅ざぜん場があります。壁間かべには、鳥羽とば僧正そうじょう漫画まんがを仕立てた長い和装わそうの額が五枚ほどかけ連ねてあります。