“一角”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっかく48.3%
ひとかど27.6%
いつかく13.8%
いつかど3.4%
ウニコオル3.4%
ウニコール3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふり返って見ると、入院中に、余と運命の一角いっかくを同じくしながら、ついに広い世界を見る機会が来ないでくなった人は少なくない。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ちょうど日露戦争後の好景気に、彼は一躍戦争成金になり、一角ひとかどの実業家として、本店を大阪に移すことになったのであった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
宗助そうすけこの一語いちごなかに、あらゆる自暴じばう自棄じきと、不平ふへい憎惡ぞうをと、亂倫らんりん悖徳はいとくと、盲斷まうだん決行けつかうとを想像さうざうして、是等これら一角いつかくれなければならないほど坂井さかゐおとうと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その女をともかく一角いつかどの令嬢仕立にするまでお鯉の手許てもとにおいた、そして嫁入りをさせて安心したといった。しかしやがて五万円は諸々もろもろの人の手によって手易たやすく失われてしまった。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
印籠は梨地に定紋を散らしたもので、根附は一角ウニコオル、緒締は珊瑚の五分珠であつた。母は印籠を志保に交付して云つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
向腹むかっぱらを立てたように言いながら、大出刃のさきで、繊維をすくって、一角ウニコールのごとく、薄くねっとりと肉をがすのが、——遠洋漁業会社と記した、まだ油の新しい、黄色い長提灯ながぢょうちんの影にひくひくと動く。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)