“一見”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっけん47.8%
いつけん34.8%
イチゲン8.7%
いちげん4.3%
ふり4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗助は一見いっけんこだわりの無さそうなこれらの人の月日と、自分の内面にある今の生活とを比べて、その懸隔けんかくはなはだしいのに驚ろいた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むかしのまゝ練壁ねりかべ處々ところ/″\くづちて、かはら完全くわんぜんなのは見當みあたらくらゐそれに葛蔓かづらのぼつてますから、一見いつけん廢寺ふるでらかべるやうです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一見イチゲンの私どもにも、そんなに思はれるのですから、芝居だこの出来た数十年来の歌舞妓鑑賞者には、不快言はう様のないものとして、響くだらうと言ふことは、想像出来ます。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「ですとも。それを知らん顔で、しらばっくれて、唯今ただいま一見いちげんという顔をなさるから、はぐらかして上げましたんでさ。」
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのなかで料亭ちゃやの番頭が、大尽遊びをきめ込んでいる一見ふりのお客からなんべんもなんべんもちょいと百両立て替えてくれとアッサリ頼まれるところがある。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)