“一節”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとふし78.7%
いっせつ6.4%
いつせつ6.4%
ひとくさり4.3%
ひときり2.1%
ひとくだり2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、息切れのするまぶたさっと、気を込めた手に力が入つて、鸚鵡の胸をしたと思ふ、くちばしもがいてけて、カツキとんだ小指の一節ひとふし
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
思わず寒さに胴顫どうぶるいすると同時に長吉は咽喉のどの奥から、今までは記憶しているとも心付かずにいた浄瑠璃じょうるり一節いっせつがわれ知らずに流れ出るのに驚いた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
とその家庭かてい苦痛くつう白状はくじやうし、ついにこのしよ主人公しゆじんこうのち殺人さつじん罪人ざいにんなるカ……イ……をともなひてその僑居けうきよかへるにいた一節いつせつきはめて面白おもしろし。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
「何の風情ふぜいもござらぬの。老人がおさかな申そうかの」三太夫はやさしく微笑して、「唐歌からうた一節ひとくさり吟ずるとしよう。そなたに対するはなむけじゃ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
婆「これからおめえさんの背中の穴の話になるんだが、此のめえ江戸から来たなんとか云った落語家はなしかのように、こけえらで一節ひときり休むんだ、のどが乾いてなんねいから」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大學頭様は五経の内の礼記らいきと申す書物をお取寄せになりまして、第三がん目の檀弓だんぐうと申す篇の一節ひとくだりを御覧に入れて、御講釈を申上げられました。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)