“一撥”の読み方と例文
読み方割合
ひとばち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四絃に一撥ひとばち打てば、刀槍も鳴り、雲も裂けるような、あの強い調子を生む胴の裡には、こうした横木のゆるみとまりとが、程よく加減されてあるのを見て、わたくしは或る時
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此方こなたも、またはかから草鞋穿わらぢばきたやうなふるをとこつたので、わすれるともなくまぎれたが、祭禮まつり太鼓たいこふにつけて、夢見ゆめみみゝに、一撥ひとばち、どろ/\とはひつたやうに、むるばかり思出おもひだした。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
丁度二を上げて一撥ひとばち二撥当てた音締ねじめ。但し女にあらず。女にあらずとすればまさしく師匠の千斎せんさいである。わたしは二の糸の上った様子から語っているのは何かと耳を傾けるとも知らず内ではおもむろに
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)