“一人前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちにんまえ46.9%
いちにんまへ18.4%
ひとりまえ18.4%
ひとりまへ10.2%
いちにんめえ6.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長吉は蘿月の伯父さんのいったように、あの時分から三味線を稽古けいこしたなら、今頃はとにかく一人前いちにんまえの芸人になっていたに違いない。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ところで、たけなかからは、そだかたがよかつたとえて、ずん/\おほきくなつて、三月みつきばかりたつうちに一人前いちにんまへひとになりました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
まだ返辞をしないうちに、例の赭顔の女中が大きい盆に一人前ひとりまえずつに包んだ餅菓子を山盛にして持って来て銘々に配り始めた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたし其時分そのじぶんなんにもらないでたけれども、母様おつかさん二人ふたりぐらしは、この橋銭はしせんつてつたので、一人前ひとりまへ幾于宛いくらかづゝつてわたしました。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これなんだと、芸一方で売りたいと、それはお月姉さんのような立派なお方の云う事だ、お前なんぞは今日此の頃芸者になり、一人前いちにんめえになったのは誰のお蔭だ、お前が七歳なゝつの時
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)