“ヤマ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:やま
語句割合
57.9%
山齋10.5%
八間5.3%
山斎5.3%
山村5.3%
5.3%
故山5.3%
現場5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
立派に僧殘と云ふ意味になる、ちやうど、日本語で、ヤマと寺との二語で、山中の寺と云ふ言葉を作つたときは「やまでら」と云ふて、「やまてら」とは云はない
婚姻の媒酌 (旧字旧仮名) / 榊亮三郎(著)
門は、左京二條三坊に、北に向いて開いて居るが、主人家族の住ひは、南を廣くけて、深々とした山齋ヤマが作つてある。其に入りこみの多い池を周らし、池の中の島も、飛鳥の宮風に造られて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
記に、門毎に仮庪を結ぶと見え、紀に仮庪八間ヤマなるを作るとあるのも、入り口の上に構へた物もあり、柱間の広い物もあつたことを示すのである。
桟敷の古い形 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
京中で、此恵美屋敷ほど、庭をタシナんだ家はないと言ふ。門は、左京二条三坊に、北に向いて開いて居るが、主人家族の住ひは、南を広くけて、深々とした山斎ヤマが作つてある。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
あしびきの山村ヤマ行きしかば、山人の我に得しめし山づとぞ。これ(太上天皇——万葉巻二十)
譬へば「筑波のヤマに黒雲カヽ衣袖漬コロモデヒタチの国」といふ風俗の諺(常陸風土記)、其ひたちの国だけは始中終新しくなつてゆくけれども、「筑波の岳に黒雲挂り衣袖漬」は固定してゐる詞句である。
古代中世言語論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
馬車の窓から故山ヤマ見れば
別れ (新字旧仮名) / 森川義信(著)
ご承知の通り現場ヤマはさんざんにひっくりかえされていて、ひと眼で初犯の手口だということがわかる。だが、それは非常な綿密な人物で、証拠というほどのものはなにも残していません。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)