“わたくしこと”の漢字の書き方と例文
語句割合
私事100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私事わたくしことは袴広太郎、江戸の旗本、小禄者。尋ねる人がございまして、諸国漫遊にでましたが、あまりによく似たお姿のため、とんだ粗相を
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私事わたくしこと人々の手前も有之候故これありさふらふゆゑしるしばかりに医者にも掛り候へども、もとより薬などは飲みも致さず、みな打捨うちす申候まをしさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私事わたくしこと、神は信じたが宗教家といふ人間仕事の一様式にも吸引を感じなく、さりとて神学者にもなりたいと思はず、又、ユマニテは信じたが、例へば社会事業にどれといつて縁も生ぜず、さりながら
我が詩観 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
私事わたくしこと其節そのせつ一思ひとおもひに不法の事を申掛け、愛想あいそを尽され候やうに致し、離縁の沙汰さたにも相成候あひなりさふらはば、誠に此上無きさいはひ存付ぞんじつき候へども、此姑このしうとめ申候人まをしさふらふひとは、評判の心掛善き御方にて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さ候へば私事わたくしこと如何いかに自ら作りし罪のむくいとは申ながら、かくまで散々の責苦せめくを受け、かくまで十分に懺悔致ざんげいたし、此上は唯死ぬるばかりの身の可哀あはれを、つゆほども御前様には通じ候はで
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)