“ろばた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
炉辺29.7%
炉端28.1%
炉傍17.2%
爐邊7.8%
炉側6.3%
爐端4.7%
爐傍1.6%
炉縁1.6%
爐辺1.6%
艫端1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぎっしりとつまった本棚に囲まれた洋風の書斎に、炉辺ろばたに椅子を相対して坐した二人。主人は衣川柳太郎、客は清川純きよがわじゅんである。
正義 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
勘太郎かんたろうはそうひとりごとを言って、それから土間どまの柱をよじ上って、ちょうど炉端ろばたがぐあいよく見えるあなのあいている天井の上に隠れた。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
梅三爺はただれた眼をぱちくりさせながら、一度手にした唐鍬を置いて、炉傍ろばたに戻って来た。そして煙管きせるをぬき取った。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
それからお八重と二人家へ歸ると、父はもう鉈鎌を研ぎ上げたと見えて、薄暗い爐邊ろばたに一人踏込んで、莨を吹かしてゐる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
杉右衛門は炉側ろばたに坐ったまま、いつまで経っても動こうともしない。やがてたきぎが尽きたと見えて焚火が漸次だんだん消えて来た。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
差出さしいだせばお三婆は圍爐裡ゐろりはたに火をたきたりしが是をきいて大きに悦びよくも/\此大雪をいとは深切しんせつにも持來り給へりと麁朶そだをりくべて寶澤をも爐端ろばたへ坐らせ元よりすきの酒なればすぐかん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それに、そのときには私あなたの爐傍ろばたにたつた水一杯を持つて現はれるのぢやないことを考へて置かなくちやなりませんわ。
しかし、どうして、あなたがこんな暗い寂しい夕方、思ひがけなく私のこの寂しい爐傍ろばたに現はれるつてことがあり得よう。私は一杯の水を召使の手から受取らうと手をのばした。
そこへ精米所の主人がやって来て、炉縁ろばた胡坐あぐらをかくと、そこにごろりと寝転んでいたお爺さんはじきに奥へ引込んで行った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
茶の間の真中に真四角のゐろりがきられて、煤けた鍵竹かぎたけの先には、黒焦に焦げた薬罐がかゝつて、木のころがぶすぶすとその下にいぶつて居る。女房は下座の爐辺ろばたにすわつて挨拶さへもしない。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
舟は独楽こまみたいに空廻からまわりし初めている。のみならず、艫端ろばたに人間の腕だけが見える。盧は北京育ち、泳ぎを知らない。しかるにそのとき
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)