“よんどころ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
58.5%
拠所18.5%
7.7%
拠処6.2%
據所3.1%
據處3.1%
余儀所1.5%
寄所1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
受人がなければ奉公は出来ず、と云って国へけえれば抜刀ぬきみ追掛おっかけられて殺されてしまいやすから、よんどころなく此処から飛込んで死にやすが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
拠所よんどころなく雪の道具だけに講釈で聴いて覚えていた「鉢の木」をいい加減にでっち上げて、どうやらこうやらお茶を濁した。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
校正でよんどころなく歸りの遲くなつた夜など、電車の送迎に忙しいひけ時から青電車の時刻も迫つて絶間々々にやつて來る電車を、一臺送つては次かと思ひ、又一臺空しく送つては次かと思ひ
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
派出婦をしていたころ男に押えつけられれば拠処よんどころなくその意に従った。真面目まじめな人から説き勧められれば嫁にも行った。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
致したりかすみせきの坂下にてわるいぬめが吼付ほえつくゆゑ據所よんどころなく拔討ぬきうちに犬を斬しが其血がはね衣類いるゐ如斯こんなよごせしなりと云つゝ吐息といきつくさまどうあやしく思はれたり夫のみならず第一に病家びやうかへ行にかさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たうとうしまひには、男のあく事の無い要求に據處よんどころ無く、三田の蟇口から十圓盜み、それがわからなかつたのに安心して、今度は野呂の財布から五圓とつたのださうである。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
余儀所よんどころないから私が面倒な思いをしてこしらえて附けましたアネ……アアアアたましとが気をかせればこんなッた……しかし飛んだ余計なお世話でしたヨネー、誰れも頼みもしないのに……鍋
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
寄所よんどころなく万豊の桐で辛棒しようとするのだが、斯う穴やふし瘤だらけでは無駄骨が折れるばかりで手間が三倍だと滾しぬいた。
鬼涙村 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)