“よわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨワ
語句割合
72.7%
夜半21.6%
0.9%
0.9%
尫弱0.4%
0.4%
懦弱0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
脆弱0.4%
衰弱0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そんなよわいことでどうするんですか。わたしたちは、よくあなたにいかけられたものです。あの時分じぶん元気げんきしてください。」
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
前に評釈した「飛弾山ひだやま質屋しちやとざしぬ夜半よわの冬」と同想であり、荒寥こうりょうとした寂しさの中に、或る人恋しさの郷愁を感じさせる俳句である。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
此の時代、文人の収入を得る道が乏しく、文人が職業として一本立ちする能わず、如何に世間から軽侮せられ、よわいされなかったかは今の若い作家たちには十分レハイズする事が出来ぬであろう。
その帝釈山の拝領の茶室、無二庵むにあんに隠遁する一風宗匠は、よわい百二十いくつ、じっさい奇蹟の長命で、柳生藩のことなら先々代のころから、なんでもかんでも心得ているという口をきく百科全書です。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼女の唯一の骨肉であり親愛者である弟も、人づかひのはげしい大阪の方で、尫弱よわい体で自転車などに乗つて苦使こきつかはれてゐた。彼女は時々彼に小遣などを送つてゐた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
但し賢秀がよわくてもつよくても、親父の善悪はせがれの善悪には響くことでは無い、親父は忰の手細工では無い。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
英雄豪傑の汗なら好んでもしゃぶるが、こんな懦弱よわい奴の汗をめるのは御免である。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
そのまんまるさは次第に大きくはなったが、しかし輪廓をぼやけさせてゆがんで、それを持ちこらえられなくなって、いきなり飛びついて悲しげに甲斐絹のようなよわい長い声ですすり泣いた。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
で、紋也は力をよわめた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一〇〇眠蔵めんざうより一〇一痩槁やせがれたる僧の一〇二よわ々とあゆみ出で、からびたる声して、御僧は何地いづちへ通るとてここに来るや。
と云うから尚お強く打つが、少しもよわりませんで、打って仕舞うとずーっと立って衣服きものをぽん/\とはたいて
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なんの、長二」と伯母は白き頭振りつ「身体からだは使ふだけ健康ぢやうぶだがの、お前などのは、心気こゝろを痛めるので、大毒だよ——今ではお前も健康の様だが、生れが何せ、脆弱よわたちで、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しかし俺は衰弱よわっている。これほどの姦策かんさくをたくらむ奴だ、どんな用意がしてあろうも知れぬ。あべこべに討たれたら悲惨みじめなものだ。……さてここにある横穴だが、何んとなく深いように思われる。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)