“よる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨル
語句割合
96.7%
0.8%
0.4%
夜分0.4%
夜間0.4%
0.4%
0.2%
亥刻0.2%
夜中0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よるもうっかりながしのしたや、台所だいどころすみものをあさりに出ると、くらやみに目がひかっていて、どんな目にあうかからなくなりました。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
はじめ宗房むねふさといへり、季吟翁の句集くしふのものにも宗房とあり。延宝えんはうのすゑはじめて江戸に来り杉風さんふうが家による、(小田原町鯉屋藤左ヱ門)剃髪ていはつして素宣そせんといへり、桃青たうせいのちの名なり。
養生やうじやう仕方しかたひとよるなれどこゝろとむるはたれかはらず
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
甲「此の筆なるものゝ父は長らく病中夜分よるもおち/\眠りもせずに看病を致して、何もも売尽し、其の日に迫って袖乞に迄出る事を支配をも致しながら知らん事は有るまい、全く存ぜずに居ったか」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
江戸の人心は恟々とした。夜間よるの通行が途絶え勝ちになった。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
朝になって羅は起きようとしたが、よるに女がこしらえてくれた着物は芭蕉のような葉であるから、とても着られないだろうと思いながら手にとって見ると、緑の錦のひどくなめらかなものであった。
翩翩 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
呼入よびいれ今の次第和吉が來りし事よりして斷りたるは癲癇てんかんと云ふらしたる元益が所爲しわざよること是はまた家主庄兵衞が戀慕れんぼに出で云々かく/\なりし一一什しじふ委敷くはしくかたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ほしければ當人は申に及ばず女房お政の歡喜よろこび言ん方なく迅速すみやかに腰懸まで迎ひに來り是偏へに御奉行の明斷による所なりと白洲の方に向ひてしきりに伏拜ふしをがうれし涙にくれたりけり時に後藤半四郎は再び大岡殿に向ひ恐れながら某し御奉行樣へ願ひあげ奉つりたき儀御座候右は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
フラリと平次の家へ來たのは亥刻よる少し過ぎ、食はず飮まずで見張つてゐてひどくつかれて居ります。
その時の高等学校の生徒は今よりもよほど殺伐さつばつで粗野でした。私の知ったものに、夜中よる職人と喧嘩けんかをして、相手の頭へ下駄げたで傷を負わせたのがありました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大阪博愛社の社長小橋実之助こばしみのすけ氏はよるべのない孤児を教育し、教養するのを自分の天職として働いてゐる人である。