“ゆかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユカリ
語句割合
由縁61.3%
15.1%
由緒7.6%
因縁4.2%
縁由3.4%
所縁2.5%
1.7%
縁故1.7%
交渉0.8%
所因0.8%
由因0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あまり、有難くもないだろうが、死者の由縁ゆかりの者が来たら、言伝ことづけてくれ。——逃げ隠れはせぬ、いつでも、御挨拶はうけるとな」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尾張国内海うつみというところまで来たときは、てっきりそこが、最後だと思った。というのは、故左馬頭義朝が討たれたゆかりの地だったからである。
この美しい土人乙女が縁も由緒ゆかりもないこの私を、どうして助けたかということも手真似によって知ることが出来た。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この因縁ゆかりが怪談じみているのと、災禍の大きかったことは、まことに後人の肝を冷させるものがあります。
小倉とか小椋、大蔵など、オグラという言葉は、私は山上の「小暗き所」という意味だろうと思うが、こういう苗字や地名は、大体において、この木地屋に縁由ゆかりがあると見られる。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
国府津の寺は、北村君の先祖の骨を葬ってある、そういう所縁ゆかりのある寺で、彼処では又北村君の外の時代で見られない、静かな、半ば楽しい、半ば傷ついている時が来たようであった。
北村透谷の短き一生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
花菖蒲はなあやめ、風もゆかりの身がくれに
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
其れから御坊ごばうは昔願泉寺と云ふ真言宗しんごんしう御寺おてらの廃地であつたのを、此の岡崎は祖師親鸞上人しんらんしやうにんが越後へ流罪るざいきまつた時、少時しばらく此地こヽ草庵さうあんを構へ、此の岡崎から発足はつそくせられた旧蹟だと云ふ縁故ゆかりから
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
「おおカアルよ、本当の事でしょうか、ドルイドたちは——キリストと二人の神たちの僕、わたしたちがクルディと呼んでいるあの白い衣の人達は、あなたもその一人と見ますが、あの人たちは女とすこしの交渉ゆかりもないということは」
(新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
人の生血をしぼつてまでも、非道なかねこしらへるのが家業の高利貸が、縁も所因ゆかりも無い者に、たとひ幾らでも、それほど大事の金をおいそれと出して、又体まで引取つて世話を為ると云ふには
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
言葉を托して一月ひとつき二月ふたつきと延し居るうち女房は我所天おっと活智いくじなきを見、ついに情夫の生田に吹込みたる者ならん、生田は藻西太郎と違い老人を縁も由因ゆかりも無き他人と思えばまで躊躇する事も無く
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)