“やもめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寡婦44.4%
22.2%
11.1%
6.2%
孀婦6.2%
鰥夫6.2%
寡夫1.2%
山女1.2%
鰥男1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古い洋風擬ひの建物の、素人下宿を營んでゐる林といふ寡婦やもめの家に室借りをしてゐた。立見君は其室を『猫箱』と呼んでゐた。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しがないやもめの船頭には、一国の宰相の死よりは、夕方の酒の桝目ますめと、あしたの米の値のほうが、遥かに実際には強くひびく。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やもめのお勝も源兵衛の妹だけあって気性の勝った人で、お園が男のように竹馬に乗ったりして遊ぶのを叱言こごともいわずに、五刈の男姿にしておいた。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そのわけというのは、彼女はまだ若いのですが、てまえの兄にあたる良人に死別わかれ、やもめとなってから三年になります。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後良人に先立れ孀婦やもめとなった悲しみを慰めるため、単身米国を漫遊して再び日本に来て二年ほど東京にいた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それはその町に一人の鰥夫やもめの肺病患者があって、その男は病気が重ったままほとんど手当をする人もなく、一軒のあばら家に捨て置かれてあったのであるが
のんきな患者 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
「こら! 御覧な、無性ぶしょうだねえ。おまえさん寡夫やもめかい」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と是から女房が支度をするのに、前川まえがわれた山女やもめ岩魚いわなという魚に、其の頃会津辺から𢌞る味淋みりんのような真赤まっかな酒で
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
涙というものは、まして中年の鰥男やもめの涙などというものは、薄穢いものだ。甘ったるい感情の自慰のようなものであろう。
夢幻泡影 (新字新仮名) / 外村繁(著)