“やくざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤクザ
語句割合
無益16.0%
役雑12.0%
厄種12.0%
厄挫8.0%
無能8.0%
無頼8.0%
厄雑4.0%
不中用4.0%
土方4.0%
庸劣4.0%
斗筲4.0%
無懶4.0%
無頼漢4.0%
破落者4.0%
薄弱4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この無益やくざ心的要素マインドスタッフが何れ程まで修練を加えたらものになるか、人生に捉われずに、其を超絶する様な所まで行くか、一つやッて見よう、という心持で、幾多の活動上の方面に接触していると
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
風体ふう、恰好、役雑やくざなものに名まで似た、因果小僧とも言いそうな這奴しゃつ六蔵は、そのふなばたに腰を掛けた、が、舌打して
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
数の中にはにうけてこんな厄種やくざ女房にようぼにと言ふて下さる方もある、持たれたら嬉しいか、添うたら本望か、それが私は分りませぬ、そもそもの最初はじめから私は貴君が好きで好きで
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「金が出来ても子供が厄挫やくざものになっちゃ仕方がない。何あに、此方こっちだって生活に困るんじゃないからね」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
もともと無能やくざに生れついたのが悪いんだから、いくら軽蔑されたって仕方がありますまい。誰をうらむ訳にも行かないのでしょう。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それもありましょう。それとまた、主人は直情の士です。梁山泊りょうざんぱくの人間は、いわば、無頼やくざの集まりで、しかも天下の叛逆人はんぎゃくにんだと、いやしむ風がないでもございません」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お値段のお安い話ばかり致しますようでございますが、下駄の鼻緒なども昔は二足で三文でございました、それからこちらへ厄雑やくざのものを二足三文と申す事だそうです。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
心配しんぺいでなんねえ、おれも取る年なり、婆アさんも年を取っているし、子と云うものはお作べいで、あんな厄雑やくざな者だからわれを力に思って居るんだから、われえ詰らねえ心を出してくれるなよ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうせ常識以下に飛び離れた経験をするくらいの僕だから、不中用やくざにゃあ違ないが本当です。——もっともあなた見たいに学のあるものが聞きゃあ全くうそのような話さね。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御存じの通り、いまお上をお騒がせ申している野郎どもは、わたくしの身内でこそござんせんが、同じ筋をひく土方やくざ者、聞けばどうやら必死の様子で、機関銃さえも持っているという話。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
追出したんだろう、また何等の取得が有ッてあんな庸劣やくざな奴ばかりをえらんで残したのだろう、その理由が聞いて見たいネ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私のような斗筲やくざな者は、例えば聖賢の遺書を読んでも、矢張やっぱり害を受けるかも知れん。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
是から行ったって泊めるとこもねえ小村こむらだから、水街道へ行かなけりゃア泊る旅籠屋はたごやはねえ、まアいやナ、江戸子えどっこなれば懐かしいや、己も本郷菊坂生れで、無懶やくざでぐずッかして居るが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
僕等は卑怯でみすぼらしく 生き甲斐もない無頼漢やくざであるが
蝶を夢む (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
「半五郎のような破落者やくざでも、わが子の心配には、あんな素直な人間になって、しおれ返って心配しているものを」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かまあねえから奪取ふんだくつてやれ、らだらさうだ、いや本當ほんたうだとも、むこなんぞに威張えばられてるなんちことるもんか、卯平等うへいら根性こんじよう薄弱やくざだからやうねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)