“もすそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
69.4%
裳裾26.2%
2.2%
衣裾1.6%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おどろいて見ているうちに、白いもすそがひとゆれゆらりとゆれたと思うと、すらすらと台座から降りてきてわたしの前へ立ちはだかり
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すると、突然、の緞帳の裾から、桃色のルイザが、吹きつけた花のように転がり出した。裳裾もすそが宙空で花開いた。緞帳は鎮まった。
ナポレオンと田虫 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「舟の中の女は、はっきりとその顔は見なかったが、もすその下の二本の足は、人間の世にはないものだったよ。」
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
尊き兄を溺らせしかと兄弟共に慚ぢ悲みて、弟の袂を兄は絞り兄の衣裾もすそを弟は絞りて互ひにいたはり慰めけるが、彼橋をまた引き来りて洲の後面うしろなる流れに打ちかけ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
砂丘つづきの草を踏んでと、学生が見ていると、たちどまっていた二女ふたりが、ホホホと笑うと思うと、船の胴をふなべりから真二つに切って、市松の帯も消えず、浪模様のもすそをそのままに彼方むこうへ抜けた。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)