“まんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
満腔87.3%
曼公3.6%
満口1.8%
満江1.8%
萬腔1.8%
鰻公1.8%
鰻香1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と。これ彼が満腔まんこうの不平をべたるなり。しかれども吾人ごじんを以てこれを見れば、一老生の言、実に彼が急所を刺すものあるを覚う。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
初め独美は曼公まんこうの遺法を尊重するあまりに、これを一子相伝にとどめ、他人に授くることを拒んだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
多宝塔たほうとうの上で、遠術のいんをむすんでいた呂宋兵衛るそんべえ、あおじろいひたいから、タラタラと脂汗あぶらあせをながしたが、すぐ蛮語ばんご呪文じゅもんをとなえ、満口まんこう妖気ようきをふくみ入れて、フーと吹くと、はるかな
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豪胆な奴だと太郎は舌をまいて部屋へ入ったが、これを垣間見ておどろき悲んだのは母親の満江まんこう
曽我の暴れん坊 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
いや、全くのところ、僕も君の鋭い感覚と、そして大胆なるこの表現とに萬腔まんこうの敬意を表するものだ。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
旅うなぎや養魚場生まれの鰻公まんこうが到るところにのたくる当世と相成っては、「比類あるべからず」も余ほど割引きをしなければならないことになった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「採らせてもらうのはありがたいが、この一シーズンだけなら、いっそ採らせてもらわないほうがいい、てなもんだ。そうじゃないかね、深尾さん。空ッ腹に鰻香まんこうさ。罪な話だ」
三界万霊塔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)