“まのあたり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マノアタリ
語句割合
目前40.4%
眼前29.8%
面前12.8%
6.4%
当面4.3%
咫尺2.1%
現前2.1%
面可2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
打惑うちまどひてりかねたる彼の目前まのあたりに、可疑うたがはしき女客もいまそむけたるおもてめぐらさず、細雨さいうしづか庭樹ていじゆちてしたたみどりは内を照せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
奈何いかに頭をほてらせて靈魂の存在を説く人でも、其の状態を眼前まのあたり見せ付けられては、靈長教の分銅ふんどうが甚だ輕くなることを感得しなければなるまい。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
聊か感情の強いのみで殊に義侠の気さえ有る男ゆえ、面前まのあたりに見る有様の為全く其の義侠の心が絶頂に達したのであろう、断乎たる決心の籠った声で
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
牛乳など飮ますと直ぐ鼻からタラ/\と流れ出るさうした敏雄も可傷いたはしさの限りだけれど、父の心痛をまのあたりに見るのはどんなに辛いことか、氣の毒でとても筆にも言葉にもあらはせない、兄さん
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
代助ははじめて、むかし平岡ひらをか当面まのあたりた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まつかしはは奥ふかくしげりあひて、二一青雲あをぐも軽靡たなびく日すら小雨こさめそぼふるがごとし。二二ちごだけといふけはしきみねうしろそばだちて、千じん谷底たにそこより雲霧くもきりおひのぼれば、咫尺まのあたりをも鬱俋おぼつかなきここちせらる。
油然ゆうぜんとして同情心が現前まのあたりの川の潮のように突掛つっかけて来た。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
面可まのあたり談説者。誠雖聟君諷諫歟。使庁狼藉不今時。看督長放免等、横‐行京中、切市女笠イチノメガサ、又別当舎人等同切云云。市女笠非禁制物
放免考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)