“ますます”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マスマス
語句割合
益々59.2%
28.3%
益〻7.9%
1.3%
益益1.3%
増々1.3%
倍々0.4%
愈〻0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
孔雀くじゃくのような夫人のこの盛粧はドコへ行っても目に着くので沼南の顔も自然に知られ、沼南夫人と解って益々ますます夫人の艶名が騒がれた。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
よし子は顔を画に向けた儘、尻眼しりめに三四郎を見た。大きなうるほひのあるである。三四郎はますます気の毒になつた。すると女が急に笑ひ出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
伯夷はくい叔齊しゆくせいけんなりといへども、(七三)夫子ふうし益〻ますますあらはれ、顏淵がんえん篤學とくがくなりといへども、(七四)驥尾きびしておこなひ益〻ますますあらはる。
凌暑りょうしょの候起居ますます御佳迪ごかてき欣勝たてまつり候。然れば先日ハ両度の朶雲だうん謝し奉候。五翁観蓮の儀宜しく御取計らひ、例年は百ぴきに候所此度製本等差越し候故弐百疋とリキミ申候。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
よくない経験によって益益ますますよくない傾きに墜ちさせてゆくことを考えると、私は慄然とした。
或る少女の死まで (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ここにこの里の荘官しょうやの家に、月丸つきまる花瀬はなせとて雌雄ふうふの犬ありけり。年頃なさけかけて飼ひけるほどに、よくその恩に感じてや、いとも忠実まめやかつかふれば、年久しく盗人ぬすびとといふ者這入はいらず、家は増々ますます栄えけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
これを例えば当時の封建社会は、既にその弾力を失したる護謨ゴム枕の如し、しこうして空気の量は倍々ますますその中に膨脹し来る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
もとより彼は尊王家なり、その尊王の精神に至っては始終を一貫せり、しこうして終に至って倍々ますます発揚せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
宜しく少年の子弟をして益〻自治の精神を涵養かんようし、愈〻ますます活溌の気象を発揚せしむべし。あえてこれを抑制し、以てようやまさに復せんと欲するの元気を再衰せしむるを得んや(大喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)