“ほしいまゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
39.6%
34.0%
7.5%
5.7%
放肆3.8%
奔放1.9%
擅横1.9%
1.9%
放縦1.9%
1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今だから云ふが僕は今迄だつて他所の場所だと思ふところだつてかまはず入つて行つて掠奪をほしいまゝにしてゐたものさ。
村のストア派 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
彼も人生を諸行無常のメリーゴーラウンドと感じて、楽みをほしいまゝにするときの人間の哀れさを胸に覚え出したためでしょうか。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
パノラマのやうな風光は、斯の大傾斜からほしいまゝに望むことが出來た。遠く谷底の方に、千曲川の流れて行くのも見えた。
烏帽子山麓の牧場 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
いにしへチベリウス帝がおごりをきはめ情をほしいまゝにし、灣頭より眸を放ちて拿破里ナポリの岸を望みきといふはこゝなり。
あゝ声を揚げて放肆ほしいまゝに泣いたなら、と思ふ心は幾度起るか知れない。しかし涙は頬をうるほさなかつた——丑松は嗚咽すゝりなくかはりに、大きく口を開いて笑つたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
奔放ほしいまゝなれかかる世や
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
早々鈴ヶ森の村役人むらやくにんへ屆けければ村役人は其段訴へ出で早速さつそく檢使の役人出張ありて改め等相濟あひすみ飛脚の死骸しがいは十七屋孫兵衞方へ引渡ひきわたしと相成けるとぞ其のむか延文えんぶん康安かうあんの頃伊勢の國司こくし長野ながのの城主仁木右京大夫義長につきうきやうだいふよしながおのれが擅横ほしいまゝに太神宮の御神領迄ごしんりやうまで
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
生じ易きは魔の縁なり、おもひほしいまゝにすれば直におこり、念を正しうするも猶起らんとす。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
蛗螽いなごを捕つたり、野鼠を追出したりして、夜はまた炉辺ろばたで狐とむじなが人を化かした話、山家で言ひはやす幽霊の伝説、放縦ほしいまゝな農夫の男女をとこをんなの物語なぞを聞いて、余念もなく笑ひ興じたことを憶出おもひだした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さうすると淨岸の子壽阿彌と誠範の子一鐵とは從兄弟になる。わたくしは此推測を以て甚だしく想像をほしいまゝにしたものだとは信ぜない。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)