“ほうし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホウシ
語句割合
放恣37.9%
放肆20.4%
法師6.8%
奉仕4.9%
芳志3.9%
奉伺3.9%
奉祀3.9%
法諡2.9%
褒詞2.9%
方師1.9%
法嗣1.9%
蓬矢1.9%
方士1.0%
鳳眦1.0%
封豕1.0%
方氏1.0%
胞子1.0%
鮑師1.0%
鮑氏1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはり前述のごとき個性の放恣ほうしなる狂奔を制御するために個性を超越した外界から投げかける縛繩ばくじょうのようなものであるかと思われる。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
頭もくずれて来たし、だるい体も次第にむしばまれて行くようであった。酒、女、莨、放肆ほうしな生活、それらのせいとばかりも思えなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
白布はくふで、目をふさがれている法師ほうしすがたは、その時、顔をあげ、かたをゆすぶッて、なにやら、無念むねんそうにさけぼうとしたが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女が奉仕ほうしの天使の如く突然高樹町のうちあらわれてから六月目むつきめに、主人夫婦は東京を引払うて田舎に移った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「ご芳志ほうしにあまえて、しばらくのあいだ、まくの一ぐうを拝借はいしゃくつかまつります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正月や、その他の祭り日は特に大変で、大抵は妻君同伴で上役の家に御機嫌を奉伺ほうししなければならない。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
「祭」という漢字は、その本国においては、今古を一貫して地の神の奉祀ほうしを意味する語であった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
わたくしは大沼家についてその姓氏を問うたがこれを詳にすることを得なかった。三田みた薬王寺の過去帳には忌辰と法諡ほうしとを載するのみである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
用番老中水野越前守忠邦ただくにの沙汰で、九郎右衛門、りよは「奇特之儀きどくのぎつきかまひなし」文吉は「仔細無之しさいこれなく構なし」と申し渡された。それから筒井の褒詞ほうしを受けて酉の下刻に引き取った。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大方だいほう中方ちゅうほう小方しょうほうなどというのは、方師ほうし術者じゅつしゃ・祈祷師)の称号で、その位階をも現わしていた。黄巾賊の仲間では、部将をさして、みなそう呼ぶのであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
了善上人には御連合おつれあいも先年寂滅じゃくめつなされ、娘御むすめごお一人御座候のみにて、法嗣ほうしに立つべき男子なく、遂に愚僧を婿養子むこようしになされたき由申出され候うち、急病にて遷化せんげ遊ばされ候。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
蓬矢ほうし招宴、嵯峨野。
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
唐の玄宗帝の時に、ある方士ほうしが一頭の小さい亀を献上した。亀はさしわたし一寸ぐらいで、金色の可愛らしい物であった。
作者はしょく杜光庭とこうていであります。杜光庭は方士ほうしで、学者で、唐の末から五代に流れ込み、蜀王のしょうに親任された人物です。
こんなのを竜眼鳳眦ほうしというのか、一重瞼の切れの長い眼の中には淀まぬ清い光があり、唇は無限の威厳を示して寛濶に引結ばれている。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
加十の肩の上で生色を失っている鶴子を見ると急に鳳眦ほうしを釣り上げ、ただならぬ眼付で二人の奇妙な結合を眺め始めた。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
今や英夷えいい封豕ほうし長蛇ちょうだ、東洋を侵略し、印度インド先ずその毒を蒙り、清国続いでその辱を受け、余熖よえんいままず、琉球に及び長崎に迫らんとす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
と吟じてりくせられぬ。母族林彦清りんげんせい、妻族鄭原吉ていげんきつ九族既に戮せられて、門生等まで、方氏ほうしの族として罪なわれ、坐死ざしする者およそ八百七十三人、遠謫えんたく配流はいるさるゝもの数う可からず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あまがわの西の岸にすぎなの胞子ほうしほどの小さな二つの星が見えます。あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精すいしょうのお宮です。
双子の星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
女仙外史の名は其のじつを語る。主人公月君げっくん、これをたすくるの鮑師ほうし曼尼まんに公孫大娘こうそんたいじょう聶隠娘しょういんじょう等皆女仙なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「荊州の敗れた折、私は身に深傷ふかでを負い、鮑氏ほうしの家にかくまわれておりました。今日丞相が南蛮へご進発あるという噂を聞いて、昼夜わかちなくこれまで馳せつけて来たわけです」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)