“ふとん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蒲団77.8%
布団16.2%
蒲團3.1%
布團1.9%
0.4%
臥被0.2%
0.2%
裀褥0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大声で揺り起されて土岐健助が、宿直室の蒲団ふとんの中からスッポリと五分刈頭を出したのは、もう朝も大分日が高くなった頃であった。
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二月も末の真夜中のこと、祖母はクニ子や、その上のアグリたちをつれて納屋のあげの間の方へ布団ふとんを運び、早くから寝せつけた。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
一寸ちよつとたまへ」とつて、燐寸まつち瓦斯ガス煖爐だんろいた。瓦斯ガス煖爐だんろへや比例ひれいしたごくちひさいものであつた。坂井さかゐはしかるのち蒲團ふとんすゝめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たのみ外へ遣置やりおき急立せきたつこゝろしづめて覗見のぞきみるにへい四郎は夜具やぐもたれて鼻唄はなうたうたひ居るにぞよく御出おいでなんしたと屏風びやうぶの中にいりぬしに御聞申事がある布團ふとんの上へあがりけれどもなんの氣もつかところ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
朝になって女の死骸にかけたふとんを開けてみると頭がなくなっていた。呉侍御は怒って侍女達を鞭でたたいてせめた。
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
これも何か思い当る処あるらしく、客なる少女の顔をじっと見て、又たそっと傍の寝床を見ると、少年は両腕うでまくり出したまま能く眠っている、其手を静に臥被ふとんの内に入れてやった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
木魚は小さいのは可愛らしいものであるが、大きなのがふとんを敷いて座っていると、かなりガクガクとした平たい四角である。老爺おじいさんの顔も大きな四角なお出額でこあごも張っている。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そして我家へ帰ってみると、黄英はもう家の掃除をして、牀榻ねだい裀褥ふとんの用意をしてあった。それはあらかじめ弟の帰るのを知っていたかのように。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)