“ふっこう”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
復興	60.0%
腹稾	10.0%
腹稿	10.0%
腹腔	10.0%
腹藁	10.0%

復興

それどころか、中国（ちゅうごく）へ出（だ）す国内（こくない）の生産（せいさん）が復興（ふっこう）しないから、ともぐいするようになる。弱（よわ）いものからまいってしまう。近（ちか）ごろ、死（し）ぬ人（ひと）がめっきりふえたのもこんな原因（げんいん）がある。

太陽と星の下 (新字新仮名) ／ 小川未明(著)

腹稾

「甚だ見苦しゅうはございまするが」と挨拶して、腹稾（ふっこう）の七絶を書いた。

堺事件 (新字新仮名) ／ 森鴎外(著)

腹稿

芳郎はゆっくりとした足どりでその坂路を登りながら、その日、午後四時から井生村楼（いぶむらろう）に催される演説会の演説の腹稿（ふっこう）をこしらえていた。

赤い花 (新字新仮名) ／ 田中貢太郎(著)

腹腔

肉は、まだほんのちょっぴり博士の口に入ったばかりであったが、その切り取った腹腔（ふっこう）のところから、なにやら異様に燦然（さんぜん）たる黄金色（おうごんしょく）のものが光ってみえるではないか。

時限爆弾奇譚：――金博士シリーズ・８―― (新字新仮名) ／ 海野十三(著)

腹藁

度々同じ事を話すので、次第に修行が詰んで、routine（ルウチイヌ） のある小説家の書く文章のようになっている。ロダンの不用意な問は幸（さいわい）にもこの腹藁（ふっこう）を破ってしまった。

花子 (新字新仮名) ／ 森鴎外(著)