“ふしど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
臥床61.5%
臥所16.4%
臥戸6.6%
臥房3.3%
寝所1.6%
臥処1.6%
0.8%
伏床0.8%
伏戸0.8%
伏所0.8%
寝処0.8%
寢所0.8%
0.8%
床房0.8%
臥内0.8%
臥寢0.8%
閨房0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
臥床ふしどの中で、私はひとり目を醒ました。夜明けに遠く、窓の鎧扉の隙間から、あるかなきかの侘しい光が、幽明のやうに影を映して居た。
宿命 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
あの方が臥所ふしどからお起きになつて、雪のやうに白い靴下をお穿きになるため、あの可愛らしいおみ足をおのせになる足臺も見たい……。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
父はもう臥戸ふしどへ入っているし、門人たちはみんな月見に出て行ったはずである、誰だろう……と思っているとまたしても
半化け又平 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「お疲れであろう。まあ、こよいは臥房ふしどへ入っておやすみなさい」と、すすめた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが心あらしのぎたらむがごとし寝所ふしどに居りて水飲みにけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
家ざくら散り過ぎぬれば鶯も臥処ふしど荒れぬと思ふらんかも
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
佐助は春琴の苦吟くぎんする声に驚き眼覚めて次の間よりけ、急ぎ燈火を点じて見れば、何者か雨戸をじ開け春琴がふしど戸に忍入しのびいりしに、早くも佐助が起き出でたるけはいを察し
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
思ひ煩へる事さへも心自ら知らず、例へば夢の中に伏床ふしどを拔け出でて終夜よもすがらやまいたゞき、水のほとりを迷ひつくしたらん人こそ、さながら瀧口が今の有樣に似たりとも見るべけれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
しかし要が美佐子と二人で一つ伏戸ふしどに寝ると云うのも随分「長いこと」ではあった。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
彼等の夜の伏所ふしどは小さな木箱である。中に藁を敷き、裏窓の軒下に置いてある。
兎と猫 (新字新仮名) / 魯迅(著)
暑かりし日を寝処ふしどより起き来しが向ひの山はあをく暮れむとす
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
草びらは終りの寢所ふしど
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
汝をいこはしむるふしどやいかに。
三ツ許りこしらへ呉よと頼み置き床房ふしどへ入てやすみける其夜丑滿うしみつの頃に起出おきいでて彼の握り飯を懷中くわいちうなし兼て奪取うばひとりし二品を所持しよぢし最早夜明に程近ほどちか緩々ゆる/\と行べしと下男善助に暇乞し感應院をぞ立出たちいでたりなれしみちとてやみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
す事もあらねば、貫一は臥内ふしどに入りけるが、わづかまどろむと為ればぢきに、めて、そのままにねむりうするとともに、様々の事思ひゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
高手たかて小手こてしばりあげ傍らなるはしらくゝ着置つけおきヤレ/\大騷ぎをしたりと云ながら其身は臥寢ふしどいりたりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一二一我が身ひとつはもとの身にしてとあゆみめぐるに、むかし閨房ふしどにてありし所の簀子すのこをはらひ、土を積みてつかとし、雨露をふせぐまうけもあり。よべれいはここもとよりやと恐ろしくもかつなつかし。