“ふしだら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不仕鱈24.1%
不品行20.7%
不検束17.2%
不乱次10.3%
不行跡6.9%
不仕埒3.4%
不体裁3.4%
不為態3.4%
不行儀3.4%
不行為3.4%
放蕩3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先天的の不良性でも、それは矢張り数代、もしくは数十代前からの大人の不仕鱈ふしだらが遺伝したものである。子女の不良を責める前に、大人は先ずこの事を考えねばならぬ。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
……うちの娘は元来勝気な娘で、東京へ行って独身で身を立てる、女権拡張に努力するという置手紙をして出て行った位で、そんな不品行ふしだらをするような女じゃない。
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一つには峻自身の不検束ふしだらな生活から、彼は一度肺を悪くしたことがあった。その時義兄は北牟婁ムロでその病気がなおるようにと神詣でをしてくれた。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
「お前まあ何てことをするだえ。」と、伯母は前から感づいていたお庄の不乱次ふしだらを言い立てた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それは重々御道理ごもっともな訳じゃ、此方こちらにも不行跡ふしだらがあるこっちゃからう云う御疑念が懸っても仕方がない、仕方がないが、然う云う場合になると、粂之助はとんと口の利けぬ奴じゃで
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
兄がかようなたわけの有りたけを尽くすも、お身たちのような不仕埒ふしだらな朋輩があればこそ。よい朋輩を持って兄も仕合せ者、手前もきっとお礼を申すぞ
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
津田にとついで以後、かつてこんな不体裁ふしだらを夫に見せたおぼえのない彼女は、その夫が今自分と同じへやの中に寝ていないのを見て、ほっと一息した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのために細君は彼の不為態ふしだらと家計の苦しさをうらんだ揚句、病みつかれていた肺病も手伝ったのでしょうか、去年私がまだ来る前に飛込自殺をしたということで
(新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
女心は矢よりも早く、おの服装みなり不行儀ふしだらなのを恥ぢたので。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、女中を二人連れて看病に駆着けて来た母親は、娘が不行為ふしだらとは考えない。男にはだを許さないのを、恋するものが怨むためだ、と思ったそうです。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
失望の爲めに私は向う見ずになりました。私は浪費をやつた——放蕩ふしだらではない。放蕩ふしだらを私は憎んだし、今も憎んでゐます。それは私の西印度のメッサリナ(淫奔いんぽんな妻)の持前です。