“ふくらはぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
脹脛35.5%
22.6%
太脛19.4%
腓腸9.7%
腓脛6.5%
3.2%
膝脛3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
足バカリジャナイ、コヽノ脹脛ふくらはぎダッテフックラシタ肉ガナクナッチマッテ、労働者ノ脚ノヨウナグリ/\ガ出来ルワ。
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
くつも、靴下くつしたも、ふくらはぎ真黒まっくろです。緑の草原くさはらせいが、いいつけをまもらない四人の者に、こんなどろのゲートルをはかせたのです。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
ただ一重の布も、膝の下までは蔽わないで、小股をしめて、色薄くくびりつつ、太脛ふくらはぎが白くなめらかにすらりと長くながれに立った。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから戸口へ廻る時、実際行潦ぬかるみへ左の足を腓腸ふくらはぎまで蹈み込んだ。靴に一ぱい水が這入つた。女は今かも一枚で覆つてあるベンチのやうな寝台ねだいに腰を掛けて、靴を脱ぎ始めた。
柿本は、腓脛ふくらはぎが、ぴく/\、ぴく/\と顫えた。そして全身で身顫いした。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
そこで血管末端が膨脹して、神經末端を壓迫する樣になるから、ふくらはぎ腿肚うちもゝくるぶしあたりが痛んで來て、手指で之を押せば大に疼痛を感ずるに至る。遠足した人が經驗する足の痛みも同じことである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
それを行灯袴あんどんばかまに、膝頭ひざがしらまでって、たてひだを置いたから、膝脛ふくらはぎは太い毛糸の靴足袋くつたびで隠すばかりである。歩くたびにキルトの襞が揺れて、膝とももの間がちらちら出る。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)