“ひょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
34.4%
21.6%
17.8%
9.1%
3.3%
2.1%
1.7%
1.7%
1.2%
1.2%
1.2%
0.8%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
颷風0.4%
0.4%
0.4%
黒表0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おまけに小肥りでありながら身のこなし全体がひょうのようなスバシコサ柔軟さを思わせるのは、なるほどな! と感じさせるものがある。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
摩伽羅迦まからか等(〔八部衆の悪神〕)が人民を害することを大いによろこんで霰やひょうを降らして、そうして収穫を滅却めっきゃくしてしまうのである。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ああ云う質素の家に住んでおられたのも、一つは人望のあった原因になっているのでありましょうとA君は丁寧に敬慕の意をひょうされる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
無欲で物にこだわらないところも、ひょうひょうと楽天的なところも、ただ三男の又三郎だけは口が達者で、四人分を独りでひきうけたように饒舌しゃべ
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
もとより大した穀高こくだかになるというほどのものでもないが、ひょうがいくらというきまった金に毎年替えられるので、二十や三十の下宿代に窮する身分ではなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むずかしい病気びょうきをなおしたりおにをおいはらったり、ときには、死人しにんをよみがえらしたりするほど、ふしぎな力をそなえていられるというひょうばんでした。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
矢比やごろを測つてひょうと放てば。竄点ねらい誤たず、かれが右のまなこ篦深のぶかくも突立つったちしかば、さしもにたけき黄金丸も、何かはもってたまるべき、たちま撲地はたと倒れしが四足を悶掻もがいてしんでけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
一肌一容いっきいちよう、体をつくし、研を究めようとも、彼は学んで而してこれをなし得るのではないから、示して以て能を誇るのでもない。いわんやてろうて以てひょうするものでないことは勿論である。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
川柳に「三たび口説くどいて聴かれず身退く振られ客」とあるごとし、『爾雅』に虎の浅毛なるを山貓さんみょう、白いのをかん、黒きをいく、虎に似て五指のをちゅ、虎に似て真でないをひょう
それは昭和七年三月二十、二十一日の連休を利用して、但馬と因幡の国境につらなるひょうノ山—扇ノ山の尾根を縦走中、吹雪のためにあやうく凍死せんとしたときのことであった。
単独行 (新字新仮名) / 加藤文太郎(著)
さっそく焼肉の包みを解いてさかなとし、ひょうの口から冷や酒を仰飲あおっていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『国史大辞典』のひょうの条にも、単に朝廷公事の時百官列行の序を定むるために立てる標木としか書いてないのは、つまりはもとの意味を考えてみなかったのであるが、最初土地占有の一般的方式として
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
上総山武郡源村大字極楽寺字ひょうこし
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
同 同 同 大字酒蔵字ひょうさき
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
譬えばスナワチということばにもそくの字があり、ないの字があり、そくの字があり、便べんの字があり、ヨルという詞にもいんの字があり、の字があり、えんの字があり、ひょうの字があり、きょの字があり
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それはひょうを踏みはずし、そくを踏み落して、住職や、有志家連をして、手に汗を握らしむる程度のものに相違ないから、その点の安心が、米友をして仮睡うたたねの夢に導いたと見らるべきです。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そこで幕府の歩兵を将棋の歩になぞらえてひょうといい、それが転じて豹になったのです。
「ああ、よくわかりました。奥さんも、御心配でしょう。御主人の御本復ごほんぷくを祈ります。じゃあ、ロンドンの中国大使館へは、私の方から取調べひょうを送って置きますから」
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
氷の上を掃きたて、岩の破片と氷屑セラックをいっしょくたに吹き飛ばしながら、錯乱したように吹きつづけている。この世の終りのような物凄い颷風ひょうだった。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
まさに、カリブ海の颶風ハリケーンの比ではないのだ。それは、ひょうという疾風の形容より、むしろもの凄い地鳴りといったほうがいいだろう。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
同乗するもの八人、程、しょう、楊、牛、ひょう、宋、史なり。は皆涙をふるって別れまいらす。帝は道を溧陽りつように取りて、呉江ごこう黄渓こうけいの史彬の家に至りたもうに、月のおわりを以て諸臣またようやあいあつまりて伺候しこうす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ははあ、つまり三軍の“後ろ目付”でございますな。二た股者くさい大将は黒表ひょうに上げて、鎌倉へご内報におよぶわけでございまするか。なるほど、なるほど」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)