“ひとさし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
人指60.0%
一串10.0%
一差10.0%
人差10.0%
食指10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と帽子を上へ抜上げると、元気に額のしわを伸ばして、がぶりと一口。鶺鴒せきれいの尾のごとく、左の人指ひとさしをひょいとね、ぐいと首を据えて、ぺろぺろと舌舐したなめずる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
王九媽は單四嫂子のためにいろいろ指図をして、一串ひとさしの紙銭を焼き、また腰掛二つ、著物五枚を抵当かたにして銀二円借りて来て、世話人に出す御飯の支度をした。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「さらば愚僧が一差ひとさし舞うてごらんに供えようずるにて候」
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すては黙って人差ひとさしゆびで、ボロきれをかむった死体をゆっくりと指さして見せた、すては声が出なかった。
仰向の男は、空一面に彌漫はびこつて動かぬ灰雲の真中を、黙つてみつめて居る。螽の如く蹲んだ男は、平たい顔を俯向うつむけて、右手みぎ食指ひとさしで砂の上に字を書いて居る——「忠志ただし」と書いて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)