“ひそひそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
密々75.0%
窃々9.4%
秘々6.3%
喃々3.1%
秘鼠秘鼠3.1%
竊々3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
密々ひそひそとささやき合っている話の方に、多分な心をつかっていることは、少し緻密ちみつな眼でこの一組を注意していれば分りましょう。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淼々びょうびょうたたえられた湖の岸には町の人達、老若男女が湖水をはるかに見渡しながら窃々ひそひそ話に余念がない。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
会計報告が、つつましやかに、秘々ひそひそと示された。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
勘定して来ると沢山ありますが、一番お春に心配さしたのは、桜子の寝室から、夜半過ぎになると、何やら喃々ひそひそと語る声や、忍び笑いの声が漏れて来ることでした。
暫くの間私を案内した男は其の宿の内儀と、——多分斯う想像するのですが、——周旋料に就いて小声で秘鼠秘鼠ひそひそと相談し合って居る様子でありました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
近付くまゝにうちの様子を伺えば、寥然ひっそりとして人のありともおもわれず、是は不思議とやぶれ戸に耳をつけて聞けば竊々ひそひそささやくような音、いよいよあやしくなお耳をすませばすすなきする女の声なり。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)