“ばばあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.7%
婆々13.6%
7.6%
老妻3.0%
老婆3.0%
老母3.0%
年増女1.5%
老媼1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ああ、これて清々せいせいした。」と、お葉は酔醒よいざめの水を飲んだ。お清はあきれてその顔を眺めている処へ、のお杉ばばあの声が聞えたのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「旧弊はとくに卒業して迷信婆々ばばあさ。何でも月に二三べん伝通院でんずういん辺の何とか云う坊主の所へ相談に行く様子だ」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
虫の啼く、粗壁あらかべの出た、今一軒の家には老夫婦が住んでいた。じじい老耄ろうもうして、ばばあは頭が真白であった。一人の息子が、町の時計屋に奉公していて、毎月、少しばかりの金を送って寄来よこした。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
それからそれを受取つて冠つたのも知つてますものな。——ところがさ、うちへ帰ると突然いきなり老妻ばばあの奴が、「まあ、そんなに酔つ払つて、……帽子シヤツポは何うしたのです?」
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それを、上目づかいのあごで下から睨上ねめあげ、薄笑うすわらいをしている老婆ばばあがある、家造やづくりが茅葺かやぶきですから、勿論、遣手やりてが責めるのではない、しゅうとしえたげるのでもない。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは洲崎町のトある角の、渠が何日でも寄る煙草屋の事で、モウ大分借が溜つてるから、すぐ顔を赤くする銀杏返いちやうがへしの娘が店に居れば格別、口喧くちやかましやの老母ばばあが居た日にはどうしても貸して呉れぬ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
茫然ぼんやり立つてゐる小児でもあれば、背後うしろからそつと行つて、目隠しをしたり、唐突いきなり抱上げて喫驚びつくりさしたりして、快ささうに笑つて行く。千日紅の花でも後手に持つた、腰曲りの老媼ばばあでも来ると
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)