“はら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハラ
語句割合
21.3%
18.1%
17.6%
12.5%
7.7%
4.0%
3.5%
2.6%
2.4%
1.8%
1.1%
0.9%
0.7%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
腹部0.4%
0.4%
0.3%
0.2%
0.2%
ヶ原0.1%
0.1%
意図0.1%
生来0.1%
生母0.1%
0.1%
0.1%
婆羅0.1%
0.1%
払拭0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
波羅0.1%
爬羅0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
腹腔0.1%
0.1%
覚悟0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
馬腹0.1%
高原0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昌平はつい知らず機嫌のいい返辞をして、いそいそと立ってから、そんな自分のだらしなさにはらが立って「ちぇっ」と舌打ちをした。
七日七夜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
其處そこふるちよツけた能代のしろぜんわんぬり嬰兒あかんぼがしたか、ときたならしいが、さすがに味噌汁みそしるが、ぷんとすきはらをそゝつてにほふ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
文化文政の句は天明調と天保調の中間に居るだけに、その俳句が全くの月並調とならぬけれども、所々に月並調の分子をはらんで居る。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ここは、まちちかくにあった、はらっぱです。子供こどもたちが、なつ午後ごごたのしくボールをげたり相撲すもうをとったりしてあそんでいました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「その金は、いったいどこに使うのです?」と、マイダーノフは、平べったいかみを後ろへはらいながら、鼻の穴をひろげていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
おつぎは勘次かんじ敏捷びんせふあざむくにはこれだけのふか注意ちういはらはなければならなかつた。それもまれなことでかずかならひとつにかぎられてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
幡旗はんきに埋められて行く車蓋しゃがい白馬はくば金鞍きんあんの親衛隊、数千兵のほこの光など、威風は道をはらい、その美しさは眼もくらむばかりだった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとえば彼らがはらいの儀礼の内に頼るべき力を感じている間は、その力によって示唆される永遠者は非人間的なある者である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
水牛の背にも、昆蟲あつまりて寸膚を止めねば、時々怒りて自らテヱエルの黄なる流に躍り入り、身を水底にまろがしてこれをはらひたり。
画布がみずから独立すること、それを多くの人々に観照せしめることを要求することの中には同様にすでに一つのアンチノミーをはらんでいる。
(新字新仮名) / 中井正一(著)
膝下しっか奉仕ほうじすることとなすべきなど語り聞えて東京に帰り、ず愛児の健やかなる顔を見て、始めて十数日来のさをはらしぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
美しい顔を泣きはらしながら、ただふんどしだけを身に纏うてとぼとぼと夕日の下を西の方へ歩んで行った。百姓どもは皆この臆病者をあざわらった。
三浦右衛門の最後 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それは、はらみ女が埋葬されてから、棺内で蘇生し、蘇生すると間もなく、腹の子供を生み落したというのだ。想像した丈けでも総毛立つではないか。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
源「覚えがないとばかり云っても、それじゃア胴巻の出た趣意が立たねえ、己まで御疑念がかゝり困るから、早く白状して殿様の御疑念をはらしてくれろ」
宇宙は自己を歌ふべき者を生みたるなり。「処女はらみて子を生まん」其名は天地をたゝふる者、人生を慰むる者。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
『淵鑑類函』一七に『宋書』に曰く、歳朔さいさく、常に葦莢いきょう桃梗とうこうを設け、鶏を宮および百司の門にたくし以て悪気をはらう。
この歌の左に、「春日遅遅として、鶬鶊ひばり正にく。悽惆せいちうの意、歌にあらずば、はらひ難し。りて此の歌を作り、ちて締緒ていしよぶ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
十センチぐらいのフナは、はらワタを出し、よく洗って水をきり、金網にかけてほどよく焼き、これをにあてて干す。
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
その女が黒い布でも冠って、そういう腹部はら露出むきだして、ムキ出しの脚で歩き廻ったとしたら、胴体がなくて巨大な顔から、足のつづいた化物ばけものとして、何んとよい見世物になることだろう!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼はいかにして砂地すなじを田園に化せしか、いかにして沼地の水をはらいしか、いかにして磽地いしじひらいて果園を作りしか、これ植林に劣らぬ面白き物語ものがたりであります。
逗子ずしにある博士の別荘に召使いとして住み込んでいる時分に、ふと博士のたねはらんだのだということや、ある権門からとついで来た夫人の怒りを怖れてそのことが博士以外の誰にも
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
着きて睡の靈に逢ふ(そは死の靈と同じはら
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
年の上の方も、まだ二十を越していないだろう。その美しい眼を心持泣きはらして、雪のような喪服をまとうて、うつむきがちに、しおたれて歩む姉妹の姿は、悲しくもまた美しかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さるによつて明日あすよりは、木賊とくさヶ原はら朱目あかめもとに行きて、療治をはんといふことまで、怎麼いかにしけんさぐりしり
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
とて越中ゑつちうかしらでゝしたあかくニヤリとわらひ、ひとさしゆび鼻油はなあぶらひいて、しつぺいはらんと歯噛はがみをなし立上たちあがりし面貌つらがまへ——と云々うんぬんかくてこそ鬼神きじん勇士ゆうし力較ちからくらべも壮大そうだいならずや。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
意図はらがあるんですって? 冗談じゃない、そんな詰らないもので、なにが目論もくろめるものですか。」
「うん、さては何か意図はらがあるんだな。白状し給え、何だか?」
いてましたる子供こぞうが、五歳いつゝ六歳位むツつぐらゐ色白いろじろの、二重瞼ふたへまぶた可愛かあいらしい子でございまするが、生来はらからの乞食こじきでもありますまいが、世の中の開明かいめいれて、ぜん
おゝ/\……お美那みな可愛想かあいさうぢやアないか……見なよ……人品ひとがら可愛かあいらしい子供こぞうだが、生来はらからの乞食こじきでもあるまいがの……あれまア親父おやぢ負傷けがをしたといふので
このお寺だけはおめかけのあることがなんでもないことになっていて、お生母はらさんというものがあることなのだ。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
こうなると、前法主お裏方うらかたの勢力も、お生母はらさんのお藤の方もなにもない、お裏方よりは愛妾おめかけお藤の方のほうが、実はすべてをやっていたのだというが、もはや新門跡夫人の内房ないぼうでなければならない。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
て、ちがふもの——はいぶよはいはうるさがられ、ぶよこはがられてます。ぶよひとをもうまをもします。あのながくて丈夫ぢやうぶうま尻尾しつぽ房々ふさ/\としたは、ぶよひ拂はらのにやくつのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
此世で仇讐かたきの一つもつて置かなかつたなら、未来で閻魔様えんまさまに叱かられますよ、黄金かねはられた怨恨うらみだから黄金でへしてるのさネ、俳優の様な意気地なしでも、男の片ツ端かともや
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
とくに博士は、婆羅はら破鬼シヴァに知友多く、彼らの口をとおして旦那マスター奥方ミセスの身の上をさぐり出し、書物のように前に繰りひろげてみせることができます。
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
一つは湿気をはらんだ湖の空気に、身も心も胆汁質に仕上げられ、怒りを感ぜず、隠忍自重の風が自然と積上つて来てゐるためかもしれぬ。
琵琶湖 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
小生の左様そう考える訳は、屍体は煤や灰で、ひどく汚れて居るが、之を綺麗に払拭はらって視ると、肌の色が、屍体と思われないほど、鮮紅色あかみがかって紅光灼々つやつやとして居ることだ。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
迎風撒紙牖 風を迎へて紙牖をはら
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
ガラッ八の八五郎が、薫風くんぷうふところをはらませながら、糸目の切れた奴凧やっこだこのように飛込んで来たのです。
郎女いらつめ様のお従兄恵美の若子わくごさまのおはら様も、当麻真人のお出じゃげな——。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
次に「波羅僧掲諦はらそうぎゃてい」というのは、「波羅はら」は向こうという意味、「僧掲諦」とは到達する、結びつく、いっしょになる、というような意味です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
たとえ神といえども爬羅はら摘抉するのを辞する筈はあるまいと見ているところ、果して真名古は一種悽愴な面持で有明荘を立ち出でると、ここに辛辣千万な行動を開始した。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ほんの幕のような物を引きまわして仮の御禊場みそぎばを作り、旅の陰陽師おんみょうじを雇って源氏ははらいをさせた。船にやや大きい禊いの人形を乗せて流すのを見ても、源氏はこれに似た自身のみじめさを思った。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
はた、わが肉よりはらひ給ひしゐのこを見いづ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「そりゃ、何でさ、ええ、ちょいとその気になりゃなッたがね、商いになんか行くもんか。あの母親おふくろッて奴を冷かしに出かけるはらでさ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
腹腔はらが岩片に潰されてしまって、その無残な裂け口から、幾重にも輪をなした腸綿はらわたが、ドロリと気味悪い薄紫色をして覗いておりましたわね。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
よしよしそれではお糸を呼び寄せ、篤と実否を糺した上で、もし実情なら無理にでも、取戻さねば死んだ女房に一分が立たぬと、独り思案のはらを堅めつ、事に托してお糸を招きぬ。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
たしかにそれは真実です。寸陰を惜しみ、分陰を惜しみ、生の限りなき尊さを味わうものにして、はじめていつ死んでもかまわない、という貴い体験が生まれるのです。覚悟はらができるのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
王いわく「吾子よ汝は善くした、それじゃ彼のほおひげを数え見よ、汝も知る通りすべて三九二十七毛あるはずだ、一つでも足らなんだら汝はわしに布二匹をはらわにゃならぬ」
「第一俺は十三や十四じゃ無えんだぜ、百年越のうらみはらすように、餓鬼のうちから吹込ふきこまれて、根性曲りに育てられたから、一向身体からだは伸びないが、これでも取って十九よ、いい若い者だよ」
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
こんな良い空を勝手に仰ぎながら広い「はらっぱ」を歩いて居る人が有ろうと思うと、斯うして居る自分がなさけなくなって来る。そうした人達がうらやましい様な、ねたましい様な気がする。
秋風 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
口々に叫んで、馬を進めようとしても、何しろ、通りいっぱいの人だから、馬はまるで人間の泥濘ぬかるみまりこんだようなもので、馬腹はらを蹴ろうが、鞭をくれようが、いっかなはかどりません。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
高原はらの上から地平線まで
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)